2024/12/09
RICOH XR RIKENON 50mm F2の初代が世に出たのは1975年のことだったそうです。
富岡光学が設計したいわゆる「和製ズミクロン」と呼ばれたレンズです。
以前、いろいろと調べたことについてまとめて記事にしました。
今回は、もう少し突っ込んでXR RIKENON 50mm F2Lについて考えてみたいと思います。
私が持っている「F2L」は同じ光学系でパーツの大部分をエンジニアリングプラスチック製にしたもので、未確認ですが1980年発売とのこと。
どちらも富岡光学製で、これ以降は設計がガラリと変わり、日東光学製となりました。
ということで、F2を「前期型」、F2Lを「後期型」と呼ぶこともあるようです。
ちなみに、日東光学設計の3代目以降は
3代目「XR RIKENON 50mm F2S」が1981年発売、4代目「RIKENON 50mm F2」が1982年発売、5代目「XR RIKENON 50mm F2P」が1984年発売
となっており、私の「XR RIKENON 50mm F2L」は1980年に発売されたものの、すぐ翌年に「F2S」が出たということで、短命だったというわけではないでしょうが、このシリーズは全体的に早いサイクルで次々と新世代版が登場していたということになりますね。
同じ富岡光学の手による「前期型」F2と「後期型」F2Lでは最短撮影距離が異なり、前期型0.45メートルに対して後期型は0.6メートルとなっていますので、光学系を再設計したようだとコメントする記事もみられます。
実際のところはどうなんでしょうね。
個人的には、当時高い精度が求められるカメラレンズのパーツをほとんどエンジニアリングプラスチックで組んだときの精密さに自信がなかったのか、部品の寸法精度が十分ではなかったのか、実際に出来上がったF2LをF2と性能比較したときに近距離での写りが基準を満たさなかった(あるいはばらつきが大きかった?)ために、安全を見越して撮影距離を0.6メートルまでに制限したのではないか、と思っています。
このF2Lレンズで0.6メートルより近づきたければ、エクステンションチューブ(PENTAXの接写リングK、いちばん短い9.5mmのNo.1)を使えばよいわけで、同じ0.45メートルの距離で同じ被写体を撮影して比較してみればよい・・・実験してみる気はないですが、もしかしたらそのうち試してみることがあるかもしれません。