2015年5月4日月曜日

エイザンスミレかヒゴスミレか、はたまた交雑種か -2012/05/06二口

OLYMPUS E-5
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

今は2015年、ですが
3年前の2012年5月6日、秋保温泉から秋保大滝、そしてさらに奥にある二口まで出かけたときの話題です。

二口には、有名な磐司岩(ばんじいわ)など巨岩奇岩、姉滝など多くの滝で有名な二口渓谷がありますが、その玄関口ともいえる「秋保ビジターセンター」付近では、手軽に珍しい山野草を楽しめるスポットがたくさんあります。

この日は、購入から4ヶ月ほど経過したOLYMPUS E-5とZD 12-60mmズームレンズを持って行きました。当時はこのペアの出番が多かったのですが、いまではE-5ボディを持ち出すことはあっても12-60ズームを持ち出すことはほとんどなくなりました。
やはり少々大ぶりなのが災いしているのでしょうか。

OM-D E-M1とM.ZUIKO 12-40mm F2.8PROレンズのペアがあまりにも軽量コンパクトで、画質も十分なために、すっかり隅へ追いやられた感のある12-60mmレンズですが、当時はエースレンズでした。

広角24mm相当から中望遠120mm相当までをカバーし、F2.8-4.0という明るさ、そしてマクロレンズではないもののちょっと寄るには十分な最短撮影距離。

さて2012年5月6日のお話に戻りましょう。
5月連休の最終日。青葉の森には連休中に三度も訪ねていたので、最後の日はちょっと違う場所へ行ってみようかと思い立ち、二口のビジターセンター周辺をうろうろしてみようと、お昼前から出かけております。

この日最初のショットは、駐車場近くの道端で群落をつくっていたイチリンソウ、そしてしばらくニリンソウとともに。
周辺の新緑なども撮っていましたが、道端(ほんとうに道路の路肩あたりです)でタチツボスミレなんかを見ていました。
しかし、タチツボスミレはわざわざ二口まで出てこなくとも、それこそ仙台市街でも手軽に見ることができます。もっとなにか刺激的な被写体はないか・・・そして見つけました。

E-5, P5064143
 60.0mm F4.0, 1/5000sec, ISO400

最初見たときは「なんだ、この葉は?!」
はじめは葉がちぎれているのかと思いました。
そのときは、このスミレがどういう名前なのかわからなかったのですが、とりあえず撮っておこうということで、とくにこの特徴的な葉の形がわかるように、上から見下ろすようなアングルで撮り始めました。

反対側からも一枚。

E-5, P5064145
 60.0mm F4.0, 1/4000sec, ISO400

少しピンクがかった花。距も花びらと同じ系統の色です。
葉はぼろぼろに(?)引き裂かれたように深い切り込みが入っていますが、よくみるとメインは三つ?両脇の二つは根本付近からそれぞれ二つに分かれて、全体として五つに分かれているようにも見えます。

E-5, P5064146
60.0mm F4.0, 1/3200sec, ISO400

このように、葉に深い切り込みが入ったものは「複葉性」のスミレと呼ぶそうです。
日本国内には「ヒゴスミレ」「エイザンスミレ」「ナンザンスミレ」の三種が知られていますが、ナンザンスミレは植生が対馬に限られるとのことなので、仙台ではヒゴスミレとエイザンスミレの二種が候補になります。

ヒゴスミレは、ナンザンスミレの変種ともいわれ、「秋田県以南の本州以西に分布」し、葉は基部から五裂、花は白色で花弁のふちが波立たない。植生に関して「本州中部の太平洋側に多く、東北では少ない」という情報も。

一方、エイザンスミレは「青森県から九州・霧島までの太平洋側に多く分布」し、葉は基部から三裂、花は淡い紅色から濃い紅紫または白(なんでもありか)、側弁、唇弁に紫条が入る、ということです。葉の形状に関して、「ヒゴスミレに近い細葉から幅広の葉まで多彩」という記述もあったりして、かなり特定が難しそうな品種です。

でも、分布の特徴を見ると、太平洋側である宮城ではヒゴスミレよりエイザンスミレの可能性が高いようにも思えます。しかし二口は山形との県境にも近く、日本海側に多く分布するようなものがいてもおかしくないロケーションであり、ますます難しいです。

しかし、今回見つけたスミレは、葉に関しては何ともいえないものの、花の特徴はエイザンスミレそのものという感じです。

ちょっと調べてみたら、ヒゴスミレとエイザンスミレの交雑種に「ヒラツカスミレ」 というものもあるそうで、そこまで考えるとますますわからなくなります。

スミレの世界はなかなか奥深いです。

E-5, P5064147
 60.0mm F4.0, 1/3200sec, ISO400

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