2011年9月4日日曜日

ボタンヅル -2011/08/28青葉の森三居沢付近

OLYMPUS E-420
RICOH XR RIKENON 50mm F2L

8月28日(日)、この日は三居沢のほうから青葉の森に上がっていくルートで、夏の終わりの花を探しに行くことにしました。

この日は気温もそれほど上がらず、猛暑だった7月、8月に比べれば山の中を歩き回っても比較的“楽”なのではないかと期待したのですが、甘かったようです。
とにかく湿度が高くて、30℃を超す暑さのときと変わらない発汗量です。
そして群がる蚊の数もまったく減ってませんでした。

この日は
E-620ボディにOM 50mm F3.5マクロ、135mm F4.5マクロの組合せ「ガッチリ撮影組」と、
E-420ボディにRIKENON 50mm F2Lの組合せ「ほんわか印象派撮影組」という
全く性格の異なるコンビネーションで臨みました。

結果的には、シャッター数はほとんど「ほんわか組」の圧勝でした。
被写体は、カノツメソウ(シャッター数多め)、キンミズヒキ(少し)、そしてこの記事の主役「ボタンヅル」、最後に(たぶん)ゾウムシとヒヨドリバナをちょこちょこ撮って上がり!というメニューで、トータルの滞在時間も短め、移動範囲も三居沢からあまり奥へは入らず・・・という感じでした。

さて、前置きが長くなりましたが、ここからボタンヅルの話題へ。
実はこの日、森に入っていくときにはこのボタンヅルの存在に気づきませんでした。
帰りの下山途中で初めて目に入ったのです。

同じ道でも歩く方向によって、また通りかかったときの光の具合や本人の気持ちの具合などで、周囲の情景から受ける印象も全く変わってしまいます。

場所は、ほとんどうっそうと木が茂るこのルートにあって、ほぼ唯一開けて日当たりのとても良いエリアです。

現場の状況はこんな感じでした。

E-420, P8286333
F4, 1/160sec (+0.3EV), ISO400

露出をプラス補正に設定したままで撮影したので、白い花が若干飛んでしまっていますが、雰囲気はわかると思います。

細い花弁のように見えるのは萼片だそうですが、これが4つあります。真ん中にまっすぐ突き出た多数のしべと、その周りにやや長めの花糸があります。
白く丸いつぼみもいくつか見えます。

葉は切れ込みが入ったぎざぎざの形をしており、これがボタンヅルの特徴だそうです。
よく似ているセンニンソウという花があるのですが、葉の形が決定的に違うのでその点をきちんと観察すればかんたんに識別できます。

それでは、RIKENONレンズにPENTAXのK接写リングをつけて、クローズアップ撮影した写真をご紹介しましょう。

E-420, P8286317
PENTAX K CLOSE-UP RING No.3 (28.5mm)使用
F2開放, 1/400sec (+0.3EV), ISO400

この花はまだつぼみから開いたばかりのようで、萼片は開いたもののしべや花糸は開いておらず束ねられた状態を保っています。
こうしてみると、真ん中の黄色いしべと外側の白い花糸の長さの違いがよくわかります。
絞り開放でも、まだそれほど拡大率が大きくないためか、ソフト感も比較的抑えられています。

もしOM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8レンズとエクステンションチューブの組合せで撮ったら、もっと溶けるようにボケることでしょう。

通常、暗い背景に白く輝く被写体の場合は、露出をアンダー補正するのですが、接写リングをかませるとカメラの自動露出では光量が足りずかなりアンダーよりになる傾向がありますので、暗い部分のノイズがめだってしまいます。
特に狙ったわけではないのですが、少しオーバーめの露出補正をかけたのは正解だったようです。(もう少しオーバーにしても大丈夫だったかも)

E-420, P8286319
PENTAX K CLOSE-UP RING No.3 (28.5mm)使用

F2開放, 1/640sec (+0.3EV), ISO400

こちらの花は全開ですが、少し盛りを過ぎて一部茶色く傷んできているようです。
もし、絞りを絞って撮ったとしたら、傷んだ茶色い部分がもっと鮮明に写ってしまい、魅力が薄れてしまったかもしれません。

わかりにくいですが、萼片の裏にクモが隠れていて足が見えています。
たしか最初レンズを向けたときは萼片の上にいたはずだと記憶していますが、接近したときに「くるっ」と裏に隠れてしまったのです。残念。

さて、次にご紹介する2枚は、RIKENON 50mm F2Lレンズでのクローズアップ撮影の神髄ともいえる写り(と私が勝手に思っている)です。


E-420, P8286320
PENTAX K CLOSE-UP RING No.3 (28.5mm)使用

F2開放, 1/500sec (+0.3EV), ISO400

E-420, P8286324
PENTAX K CLOSE-UP RING No.3 (28.5mm)使用
F2開放, 1/800sec (-0.3EV), ISO400

後ろにいる花のボケ具合が絶妙だと思います。
ボケつつも、しっかり形を残しています。

RIKENON 50mm F2(L)レンズは、固めのシャープな写りが特徴とよくいわれます。
たしかに、開発・設計時に想定された使い方(ノーマルにつけて最短撮影距離である60センチ(初代「Lなし」では45センチ)より離れた被写体を撮る場合)では、絞り開放からすばらしい解像です。
しかし、接写リングを入れて想定以上に被写体に接近して撮影する場合には、収差も出てかなりソフトなボケ味に「変身」します。
しかも、F4程度まで絞れば本来のシャープな写りを取り戻す、絞りに応じて大きく変わる写りが魅力です。

E-420, P8286315
PENTAX K CLOSE-UP RING No.3 (28.5mm)
reverse
F2, 1/320sec (+0.3EV), ISO400

この写真は、接写リングを使用した上にレンズを逆付けしてさらに接近し撮影したものです。
逆付けしない場合よりもはるかにソフトな仕上がりになっています。
これなら、F2.8か4あたりまで絞ってもよかったかもしれません。
試さなかったのが悔やまれます。
ただ、あまりにもアップになりすぎたために前景も背景もなにもなく、少しつまらない写真になってしまいました。

最後に一枚。

E-420, P8286328
PENTAX K CLOSE-UP RING No.3 (28.5mm)使用
F2開放, 1/640sec (-0.3EV), ISO400

やはりこれくらいのフレーミングで、主役と脇役が入った構図が良いですね。
F4まで絞ると、OM 50mm F3.5マクロの絞り開放と大差なくなってしまうので、やはりここはF2開放にこだわりたいです。

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