2011年9月5日月曜日

絞りと被写界深度の微妙な関係(ヒメキンミズヒキ) -2011/08/28青葉の森

OLYMPUS E-420
RICOH XR RIKENON 50mm F2L

8月28日(日)の青葉の森での撮影は、ショット数も滞在時間も少なかったのですがいろいろと収穫が多く、けっこう楽しみました。

今回の話題は、絞りをかえることによる被写界深度への影響についてです。
これまで何度も触れてきた話題ですが・・・

撮影においては、いずれもRIKENON 50mm F2Lを逆付けしてPENTAX K接写リングNo.3 (28.5mm)を装着するという条件が共通です。

まず、絞りを開放にして撮ってみたのが次の写真。

E-420, P8286297
F2開放, 1/80sec, ISO400
フラッシュを焚かず、自然光のみで撮りました。
少し薄暗い森の中に浮かんだ黄色い花が、幻想的な雰囲気を出しています。

しかし、ピントがどこにきているのか、ぱっと見ではわかりにくいです。
実は、右に伸びた花びらの付け根あたりに来ているのですが、合焦部分の位置も微妙ですし、画面の大部分がピンぼけ状態で、じっくりよく見ると・・・残念ながら失敗作といわれてしまいそうです。

続いて、絞りをF4にしたときの写真。

E-420, P8286299
F4, 1/100sec (内蔵フラッシュを光量1/64に絞って照射), ISO400

F4まで絞ると、かなり合焦感が増してきます。
上に伸びたしべの先がクッキリ写っています。
しかし、これでもまだピンぼけ部分が多すぎるような気がします。

ちなみに、この写真は内蔵フラッシュを焚いています。
フラッシュなしでも1枚撮ってみたのですが、シャッター速度が1/15秒まで遅くなってしまい、さすがに手持ち撮影では手ブレが避けられませんでした。

さて、もう一息絞ってみましょう。

E-420, P8286300
F8, 1/100sec(内蔵フラッシュを光量1/64に絞って照射), ISO400

実は、絞りを開けて撮った写真ではボケてしまってわかりませんでしたが、花の真ん中にぼんぼりのついた2つのめしべがあったのです。
このめしべの先にピントを合わせて撮ってみました。すると、花びらの合焦具合、手前側のおしべの先のクッキリ感が出て、いい感じになりました。

この構図、この被写体では、ここまで絞るのがよかったということでしょう。
ただし、フラッシュの光量を絞りすぎたようで、全体に露出不足になってしまいました。RAW現像のときにかなり強引に持ち上げたので、少しノイズが目立ってしまっています。

そのままフラッシュ光量を上げると、コントラストが強くなりすぎたかもしれません。ディフューザーでやわらげてやれば最適な写りになったでしょう。少し心残りです。

やはり、レンズを逆付けした上に接写リングを使うなど拡大率が高い条件での撮影においては、ある程度絞り込むことも大切でしょう。
特に今回のように、とびだすしべなどがあるなどかなり立体的な被写体の場合には重要です。

・・・とはいっても、F8まで絞ってしまうと、わざわざRIKENONを逆付けして接写リングまで入れ、アップで撮る意味が薄れてしまいますね(OM 50mm F3.5マクロにエクステンションチューブ25mmでもかましてF8に絞れば、同等のカッチリ写真は撮れます)。
でも、近接撮影用に設計されたマクロレンズでなくても同様の写真が撮れるという意味では、驚異のレンズといえますが。

比較的フラット、平面的な被写体の場合は、あえて絞りを開ける必要がある場合でも対応できそうですが、そのときは面全体にピントが来るように、カメラ位置とレンズの向きの調整を慎重に行う必要があるでしょう。

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