2011年5月28日土曜日

ツクバネウツギ -2011/05/21青葉の森(芸術編~その2)

OLYMPUS E-420
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

前々回前回に引き続き、もう少しツクバネウツギです。
今度はボディをE-620からE-420にかえて、手持ちでチャレンジしてみました。
私のE-420は、本革ボディージャケット導入以来手持ち撮影専用になっています(なぜなら、ジャケットで三脚穴がふさがれてしまっているため)。

そして、この日初めての手持ち撮影にもかかわらず、無謀にもエクステンションチューブ25mmと14mm連結の計39mmを入れた超クローズアップです。
いったいどうなるのか?

最初はこちらから。

P5214150 (original)
OM EXTENSION TUBE 14+25mm
F1.8開放、1/160sec (+0.7EV), ISO400

絞り込まなければ、シャッター速度も手持ちでなんとかなるレベルにできそうです。それでも、とても浅い被写界深度で、呼吸するだけでもピント位置が前後に動き、さらに風で被写体自身が揺れるので、大変難儀しました。

なんとかかんとか、こちらに突き出ためしべの先にピントを持って行き、手ブレも最低限に抑えられたと思います。
この写真は、RAW現像時に手を加えずオリジナルそのままです。
やはりコントラストが低く背景の緑の深みが弱いので、RAW現像の段階でトーンカーブを調整し、暗い部分をさらに引き下げて締めてみました。

P5214150
主役であるめしべの先は、より立体感が出た感じです。でも、コントラストが上がったことによって、やわらかい感じはなくなってしまったかもしれません。
どちらがよいか、難しいところですね。

じつは、花の右脇に淡い丸ボケが入っているのですが、うまく見ることができるでしょうか?

この後、ほぼ同じアングル・フレームで絞りをF4まで絞った撮影を試みましたが、シャッター速度が1/30秒、1/40秒と遅くなったため、ブレて(手ブレか被写体ブレかはわかりませんが)しまいました。

ダメ元で、F4に絞ったまま内蔵フラッシュを焚いてみることにしました。
白飛びしてしまうのを恐れてISO感度を下げ、フラッシュ光量は1/64に落としました。この条件では、シャッター速度は1/100秒に固定されます。

P5214153
OM EXTENSION TUBE 14+25mm
F4, 1/100sec (+0.7EV), ISO100, 内蔵フラッシュ強制発光 (1/64)

これは光量を絞りすぎてしまったようです。・・・というよりも、もしかするとレンズの影になって肝心の花にフラッシュの光が当たっていない可能性も。
うしろの葉のほうが上から来る光に明るく照らされています。

それでも、ピントはまずまずのようなので、RAW現像時に最大限のプラス2段補正をかけ、トーンカーブも調整してみました。

P5214153

少し色のコントラストが低くなっているのは仕方のないところですが、見られなくなるほどノイズが入ってしまうということもなさそうです。
ISO感度を落としていたことが奏功したのかもしれません。
もし、まったくフラッシュの光が花に当たっていなかったなら、むしろフラッシュを焚かずに1/100秒程度のシャッター速度を確保して撮ったほうがよかったかも?

もうすでにOLYMPUSの販売ラインナップから外されて久しい、旧世代のデジタル一眼であるE-420ですが、操作性や携帯性はもちろんのこと、こうして実例を見てみるとはき出す絵の画質も十分鑑賞に堪えるレベルだなあ、と感心します。

今度は上から見下ろして撮ってみることにします。

P5214155
OM EXTENSION TUBE 14+25mm
F1.8開放、1/80sec (+0.7EV), ISO400

なんとかうまくしべの先にピントを持って行くことができました。オレンジの網目模様も適度にボケて、目立ちすぎることもなく控えめに背景に溶け込んでいます。

三脚撮影では時間をかけてアングルや距離感を決め、じっくりピント合わせしたり露出を考えたりする余裕が確保できる反面、機動性には欠けます。
手持ち撮影はブレやピンぼけのリスクは伴いますが、自由に素早く、しかもファインダーを覗いた状態のまま連続的にフレームやアングルを変えることができるので、捨てがたい魅力があります。

特に、ピントリングではなく身体自体を前後に動かしてダイナミックにピント合わせするので、ぼーっとした霧の中から被写体がふわっと現れて突然「ビシッ」とクリアになる瞬間をファインダー越しに眺めるだけでも、かなりエキサイティングです。

これは、背面の液晶モニターでのライブビュー表示や、電子ファインダーでは味わえないところではないでしょうか。
少なくとも、OLYMPUSでは普及機であるE-三桁シリーズの後継機種は出さない模様ですが、光学ファインダーのよさを味わうには、軽量コンパクトで手軽なこのE-420は、今となっては貴重な存在となってしまいました。

ただ、そんな楽しみを味わえるのは明るいオールドレンズを使った超クローズアップ撮影のときに限られるかもしれません。
私のE-420は、あんなこんな、そしてそんな紆余曲折をたどって海外からフォーカシングスクリーンを取り寄せ交換してしまっていますし、さらにマグニアイピースもつけている「MF専用特別仕様」です。
AF撮影を半ば放棄した形となってしまったこのE-420に、当初出番が極端に少なくなるのでは?けっこうな投資をしたのにそれが無駄になるのでは?と心配しました。
しかし、手持ち、ファインダーでのMF撮影に不向きと思い込んでいたE-620が意外と使える、とわかったあとでさえも、まだまだ活躍の場を失っていないのは、やはりこの機種の完成度の高さを証明しているのではないかと思います。

そう考えていくと、E-420へのMF操作性向上のためのフォーカシングスクリーン交換とマグニアイピース装着、グリップ感向上のためのボディージャケット購入装着といったスタイルアップは、いずれも絶大な効果をもたらしたといえるかもしれません。
(ちょっと大げさか?いや、決して大げさではありませんよ)

(ツクバネウツギ、もう一回だけつづく)

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