2024年12月9日月曜日

【雑談】XR RIKENON 50mm F2Lのはなしふたたび

 2024/12/09

RICOH XR RIKENON 50mm F2の初代が世に出たのは1975年のことだったそうです。

富岡光学が設計したいわゆる「和製ズミクロン」と呼ばれたレンズです。

以前、いろいろと調べたことについてまとめて記事にしました。

今回は、もう少し突っ込んでXR RIKENON 50mm F2Lについて考えてみたいと思います。

私が持っている「F2L」は同じ光学系でパーツの大部分をエンジニアリングプラスチック製にしたもので、未確認ですが1980年発売とのこと。

どちらも富岡光学製で、これ以降は設計がガラリと変わり、日東光学製となりました。

ということで、F2を「前期型」、F2Lを「後期型」と呼ぶこともあるようです。

ちなみに、日東光学設計の3代目以降は

3代目「XR RIKENON 50mm F2S」が1981年発売、4代目「RIKENON 50mm F2」が1982年発売、5代目「XR RIKENON 50mm F2P」が1984年発売

となっており、私の「XR RIKENON 50mm F2L」は1980年に発売されたものの、すぐ翌年に「F2S」が出たということで、短命だったというわけではないでしょうが、このシリーズは全体的に早いサイクルで次々と新世代版が登場していたということになりますね。

同じ富岡光学の手による「前期型」F2と「後期型」F2Lでは最短撮影距離が異なり、前期型0.45メートルに対して後期型は0.6メートルとなっていますので、光学系を再設計したようだとコメントする記事もみられます。

実際のところはどうなんでしょうね。

個人的には、当時高い精度が求められるカメラレンズのパーツをほとんどエンジニアリングプラスチックで組んだときの精密さに自信がなかったのか、部品の寸法精度が十分ではなかったのか、実際に出来上がったF2LをF2と性能比較したときに近距離での写りが基準を満たさなかった(あるいはばらつきが大きかった?)ために、安全を見越して撮影距離を0.6メートルまでに制限したのではないか、と思っています。

このF2Lレンズで0.6メートルより近づきたければ、エクステンションチューブ(PENTAXの接写リングK、いちばん短い9.5mmのNo.1)を使えばよいわけで、同じ0.45メートルの距離で同じ被写体を撮影して比較してみればよい・・・実験してみる気はないですが、もしかしたらそのうち試してみることがあるかもしれません。


2024年12月4日水曜日

初の組合せ、GXRとTAMRON 28-105mmズームレンズ -2024/12/04

RICOH GXR
RICOH GXR MOUNT A12
TAMRON SP 28-105mm LD Aspherical IF (176A)

ポツリ、ポツリと極々たまにしか持ち出すことがないレンズ。
大きく、重い。特段写りが良いというわけでもない。
所有している他のレンズにはない特別なスペックというものもない。
メーカーのHPを見ると・・・

発売は1997年、最短撮影距離0.5メートル。
APS-CのGXRでは42mmから157.5mmまでの準標準から中望遠の領域となります。
テレ端ではそこそこ寄れる、という感じですがワイド端のほうでは「ふつう」。
フィルターサイズが82mmと、かなり大きくて
最近ほぼ常用しているC-PLフィルターをとりつけることが可能かどうか、微妙なところです。(現在このサイズのフィルターは持っていない)

このレンズ、気に入っている点は
非常にソフトな写り
丸ボケもやわらかくてウルサくない

これまでは、購入当時のOM-2 spot/programとの組合せに始まり、フォーサーズの一眼レフ、そしてマイクロフォーサーズのミラーレス一眼・・・
最近になってGXRのマウントユニットにOMマウントレンズが装着できるようにアダプターを導入したにも関わらず、いままで一度もこのレンズを装着して撮影したことがありませんでした。
今日は、初の組合せで片平の放送大学宮城学習センター(旧東北帝国大学理学部生物学教室)の庭をフィールドに、終盤に差しかかった紅葉のようすを撮影してみることにしました。

GXR+T28-105, R0021804

かなり葉が落ちて地面を落ち葉が覆っています。
でも、まだ木の枝にも葉がある程度残っていて、バランスとしては悪くないです。

GXR+T28-105, R0021820

この写真は望遠端105mm、絞り開放で撮ったものです。
丸ボケの大きさも柔らかさも申し分ないと思います。
ISO1600で撮影したのでけっこうノイズが入りましたが、Luminar Neoの強力なノイズ除去で滑らかに、そしてピントが合っていても収差のせいかシャキッとしない部分はスーパーシャープ処理でメリハリをつけました。

片平丁の通りに面した日当たりの良い木では、モミジの葉も鮮やかな赤色まで紅葉しますが、ちょっと中に入り内側に向けて枝を広げる木では、日当たりがあまり良くないせいか完全に紅くなりきることができていません。しかしこれがかえって良い色合いになっています。葉脈周辺だけが紅くなり、縁は色が薄くてまだ黄色いものもある。このグラデーションは一様にベタッと真っ赤になっている葉よりも風情が感じられます。

GXR+T28-105, R0021853

これも望遠端105mmですが、F5.6まで絞りました。
このレンズは絞り羽根が9枚、F4くらいまでは丸ボケが丸いですが、F5.6まで絞ると九角形がわかるようになります。
とはいっても、まったく気にならないですが。

さて、このグラデーション紅葉、とても良い雰囲気を感じるのですが、それは撮影したRAW画像を現像、処理して仕上げる段階になるとまた新たな難しさをもたらします。
トーンを落とせば葉の中心部分の赤がより濃く出ますが全体的に暗く重たくなります。
上げれば明るく、柔らかさがより強調されますが葉の中心部から縁にかけての色の変化が不明瞭になります。
さてどのようにすればよいか・・・非常に悩みました。

GXR+T28-105, R0021855

この写真では上から見下ろすアングルにしたので、バックは地面。
丸ボケが入ることもなく「葉のトーン」だけを気にすれば良いのですが、ちょっとしゃがんで水平くらいのアングルへ持っていくと

GXR+T28-105, R0021856

背景が地面ではなくなり、木々の間から漏れてくる光が丸ボケを作ります。
この丸ボケを活かしたいですが、背景の明るさ、主役の葉の色合いやグラデーションの明瞭さなどをベストなバランスに持っていくのは容易ではない・・・

この写真の処理について、facebookの「開放レンズライフ」グループに投稿してそのあたりを訊ねてみました。

いただいたコメントでは、
トーンをさわるならS字カーブにしてはどうか
ヒストグラムのハイを下げ、ローを上げて上下からギュッと圧縮する手もある
と教えていただきました。

撮影そのものについてもまだまだ修行が必要ですが、撮った写真を画像として処理する際にも、まだまだいろいろと身につけなければならないテクニックがありそうです。
経験数を増やしていくしかないでしょうね。
あまり「プリント」しないのも問題かもしれません。
PCの画面で見るだけではダメかも・・・

2024年4月9日火曜日

今年はじめての青葉山ですが -2024/03/30

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO


三居沢のほうは何度か歩いていましたが、こもれび広場を中心とする標高の高いエリアのほうはまだ歩いていませんでしたので、この日気合いを入れて歩くことにしました。

1週間ほど前の3月24日(土)、もっとも標高の低い三居沢入口から入って周辺エリアを歩いた際の印象は、「カタクリの花がぜんぜん咲いていない」「セリバオウレンの見頃がまだまだこれから」「ナガハシスミレはつぼみすら見られない」そして「イワウチワのつぼみもなく丸い葉だけ」しかも数が少ない気がする・・・「ショウジョウバカマもまったく咲いていない、つぼみも出てない」という感じで、例年に比べてかなり出足が遅いと感じました。

そしてこの日。こもれび広場から出発してまずは「チゴユリのみち」を回って一旦こもれび広場へ戻ったあと、「きいろいみち」を行き、疎林広場から「化石のみち」、「ヤマドリルート」を歩いて花木広場へ出て、「わんぱくのみち」を通ってふたたび「チゴユリのみち」からこもれび広場へ戻る、という長距離ウォークとなりました。

「チゴユリのみち」を入って行くとまもなく、カタクリの花がいくつか咲いており、また足下にたくさんのセリバオウレンが咲いていました。

しかし想定外の強い日差し、そして昨日の雨の影響が少し残ってぬかるむ足下・・・立ち止まることなくスルー。

さらに歩いて行くと、道の脇にショウジョウバカマ。でもようやくつぼみがほぐれ始めたばかりというタイミング。

かなり日当たりの良い乾いた斜面を上がって行くと、そこにもカタクリの花。これなら下から見上げて撮影できる。・・・ということで

E-M1 Mk3, MZ12-40, P3300069
12.0mm F2.8
1/3200sec, ISO200

なんだか、葉も花も小さめで首も短い、かなりコンパクトな感じのカタクリです。
去年の夏の暑さの影響か?それとも暖冬・・・と思ったら年明けに平年以下の寒い日が多かったせいか?

さらに先へ進むと、茶色く枯れた細くて長い葉がたくさん垂れ下がった斜面に、ほんの数センチの首、数センチの細くて短い葉のスゲらしき花?が遠くからでも目立って見えていたので、何気なしに2枚撮影。

P3300074
40.0mm F2.8
1/400sec, ISO200
P3300075
同上

これから首(花茎)や葉を伸ばしていくのかなあ、などとぼんやり考えながら写真を撮っていましたが、あとで調べてみるとこれはもしかして「アズマスゲ(東菅)」ではないか?ということになってきました。

いつも見慣れたスゲは「カンスゲ(寒菅)」で、分布は「宮城~近畿の太平洋側、中国~九州」となっていて、宮城は北限みたいですね。「寒い」という名のわりにはあまり寒いところにはいないのか?

シュッと伸びた花茎の先につく(頂生する)のは雄小穂で、花茎の横に数個の雌小穂がつくかたちとのこと。葉は最初から幅1センチほどの固くて長いかたち。

カンスゲに似ていてサイズの小さい「ヒメカンスゲ(姫寒菅)」というのもいるらしい。青葉山でもよく見られるようです(「きょうの青葉山」ブログにときどき登場します)。こちらは葉の幅が2~4ミリとかなり細いので見分けられると思います。

さらにさらに、カンスゲに似ているスゲとして「ミヤマカンスゲ(深山寒菅)」という種もあるみたいです。「深山」の名のとおり高山に分布しているようですが、こちらは花茎の先につく雄小穂が細いそうです。

一方、アズマスゲのほうは、同じ花茎に雄小穂と雌小穂がつくスタイルではなくて、同じ株から別々に雄小穂つきの花茎と雌小穂つきの花茎が出る、というところにほかの種との違いがあるようです。やはりここで見たのはアズマスゲの可能性が高いですね。

ほかのスゲの葉が常緑であるのに対して、アズマスゲは花期が終わるととんでもなく葉が伸びて枯れたまま次の年まで残るそうなので、ジャマだと思っていたまわりの枯れ葉は去年の花が終わったあとに伸びて枯れ、残っていたアズマスゲの葉だったのですね。

これぞ!という収穫もないまま沢にかかる橋を渡ってこもれび広場へ戻ってきて、こんどは「きいろいみち」へ入って行きます。それにしてもなぜ「きいろいみち」?

ショウジョウバカマにも出会いましたが、まだまだという感じ。ようやくつぼみの先が割れてこれからしべがニョキーッと出てくるのはこれから、というタイミングのものが多かったです。

ちょうど、つぼみの先が割れたばかりの花と、ちょうど開いたばかりの花がとなりどうしというペアを見つけました。

P3300102
40.0mm F2.8
1/500sec, ISO200

さて、これから一気に伸ばしましょうかね!・・・という感じ。

その奥には、

P3300103
40.0mm F2.8
1/1250sec, ISO200

まだ開いたばかりで首がほとんど伸びていない状態。これから首を伸ばして下を向くのでしょうか。

P3300101
40.0mm F2.8
1/1000sec, ISO200

ちょっと引いて上から見下ろすとこんな感じです。

こうしてみるとやはり、ショウジョウバカマはまだまだこれからだな、という印象ですね。

ほかの場所でもだいたいこんな感じでした。


結局約3時間、3キロ強歩きましたが、かけた時間と歩いた範囲の広さのわりには、収穫が少なかった一日となってしまいました。

ちなみに、去年の今ごろ(2023年4月1日)にFacebookに投稿した記事が残っており、そちらを見ると・・・


どの花も、今日の状態よりずいぶん進んでいる感じ。

まあ、去年は桜の開花も観測史上最速だったりして、全体的に季節の進行が早かったということもありましたので、今の進み具合はむしろ平年並みなのかもしれません。


それにしてもM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROというズームレンズは24mm相当の広角から80mm相当の中望遠まで、けっこう寄れるし絞りを開いて寄ればボケの中に狙ったポイントがクッキリ浮かび上がるし、絞り込めばカッチリ写る・・・基本的な要求にはこれ一本で全て対応可能です。

最近は、レンズを何本も持ち歩くのが辛くなってきたので、歩き回って様々なターゲットをテンポよく様々な取り方で写真におさめていきたいようなときには、このレンズがたいへん重宝します。

ほかのレンズでは、よほど目的が絞り込まれていない限りはそれ一本だけでその日の撮影をすべてこなすということはかなり難しいと思います。

まあ、逆にいえばこの12-40mmズームのような万能レンズではない特殊なレンズだけを持ち出して撮影するときには、予めしっかりとプランを立てたり目標をキッチリ定める必要があるということですね。

そろそろ年齢と自分の体力のことを考えて、なんでもかんでも放り込んでズッシリと重たくなったリュックを背負って何時間も山を歩くというようなことはなるべく避けたほうがよさそうです。

2024年3月7日木曜日

XZ-2用のバッテリーLI-90B膨らむ・・・LI-92B購入 -2024/03/06

 2012年12月30日に購入したOLYMPUS STYLUS XZ-2。

バッテリーは1個付属していますが、予備のバッテリーを本体と一緒に1個購入しました。

最近、付属のほうか追加購入したほうか、どちらかわかりませんがひとつが膨らんできているのが気になっていました。

XZ-2, P1144837

この写真は1月14日に撮影したものです。

充電しても、もうひとつのほうと比べるとすぐにヘタってしまうように感じます。
「2012-05-27」と書いてありますが、2012年5月製ということですね。その半年後から使い始めているので、もう11年以上になります。

2024年3月6日、たまたま出張先の八王子でヨドバシカメラを冷やかしに行ったとき、話の流れで新しいバッテリーを購入することになってしまいました。

XZ-2で使っていたバッテリーはLI-90B。3.6Vで1270mAhという容量。でも同じものは新品で手に入れることはできません。

しかし、いま販売されているTG-7用のバッテリー、LI-92BがXZ-2にも使えます。こちらは3.6Vで1350mAhと、同じ電圧ですが容量が大きくなっています。充電器UC-90はそのままLI-92Bの充電にも使用できるようですが、充電電流が400mAとなっていますが、LI-92B充電用のLC-92は800mAとなっており、その分充電時間も短縮されます。

八王子のヨドバシで、なにげなくXZ-2のバッテリーが膨らんじゃって・・・という話をしたら、「膨らんで取り出せなくなったり、発火したりする可能性もありますよ」と、脅し文句が。

ちょうど在庫があったので、ひとつ購入することに。

古いバッテリーは回収して処分してもらえるということなので、預けました。なのでいまは手元にありません。

SHARP AQUOS Sense7, 240307091518880

かっこいい箱に入ってます。

240307201004997

収納袋に入った状態で箱の中に納められていました。

240307201344586

古いバッテリーを入れていた袋と比べてみると、(当然ではありますが)ぜんぜん違います。バッテリーの製造日は2023年4月1日。

これでしばらくはバッテリーの心配は要らないですね。

2023年11月13日月曜日

色温度の設定で印象が変わる

 2023年、今年の夏は全国的に「猛暑」を通り越して「酷暑」でした。

仙台ではシーズンに入る前からおかしいほどの気温。新記録更新の連続でした。

そして、いつまでもダラダラと暑かった・・・


なので、秋への移行はずいぶん後ろにずれ込んだり、秋らしさがイマイチ感じられなかったりしています。

紅葉の進み具合もまたしかり。確か2018年頃にも猛暑の夏のあと、秋の紅葉は色づきがイマイチだった記憶がありますが、今年もやっぱり。予想はしていましたが。


そんな中でも、探せばまあまあイケてる部分もあります。
視界いっぱいに広がる真っ赤な景色・・・というのは望めませんが、丹念にじっくり探せば部分的にイイ感じのスポットがあったりします。


2023年11月12日(日)、午前中はまあまあの天気でも、じきに曇ってきて午後からは雨が降るという予報を聞いて、雨が来る前に「秋探し」散歩へ出てみよう!と、仙台市青葉区片平界隈をカメラ片手に歩いてみました。


ほとんどまだ緑のままというモミジの木に、数枚だけ色づいた葉をみつけました。でも、真っ赤に色づいたというほどではなくうっすらです。

OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO、人生初のマイクロフォーサーズ機OLYMPUS OM-D E-M1に付いてきたキットレンズですが、ズーム全域にわたって最短撮影距離が20センチ、特に望遠端ではライカ判80mm相当の、1/2倍相当以上(0.6倍相当)マクロレンズとしても威力を発揮する素晴らしいレンズ。

フォーサーズ、マイクロフォーサーズ(センサーサイズは一緒ですが)でOM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8レンズをつけたとき、もしかしたら自分にとっての標準レンズとは、100mm相当クラスの中望遠なんじゃないか?と思うようになっていましたが、このズームレンズでも、望遠端に振り切って使うことが多いです。

前置きが長くなりましたが、実際に撮った写真がこちら。

PB120006
40.0mm F2.8
ISO1600, +1.0EV補正, 1/800sec

これは何も手を加えていないそのままのオリジナルをOM Workspaceで現像したものです。

最近凝っている、DxO PureRAWで処理してみました。特に解像感が大幅アップするのが魅力です。逆光に透かして見た葉の葉脈などが、より繊細になることを期待して。

PureRAW3.7で処理
このソフトで処理すると、露出をオーバー目に調整されてしまう傾向があり、特に私の好みであるアンダー調を狙って撮影した写真が明るく調整されて、ハイライト部が白飛びしそうなくらいになってしまうこともあるのが難点、とは感じていました。

この写真については、そんなこともなく(もともとオーバー露出補正で撮っていた事もあると思いますが)処理できているようですが、あまり解像感アップの効果は表れていないようです。
それよりも気になるのは、色味が変わっていることです。ソフト内のAIが判断して調整したのでしょうが、画面の大部分を緑が占めているせいか、それを赤に引き戻そうとしたようです。色づいている葉以外は緑のままで置いておいてほしかったのですが・・・

真っ赤に染まっていればそれほど気にならなかったのかもしれませんが、うっすら赤くなっているこの葉の場合、まわりの葉の色も赤みが入ってしまったら、主役の存在感が薄れてしまいます。

なので、PureRAWでの処理をせずにOM Workspaceで色温度調整をして現像することにしました。撮影時はオートでホワイトバランスを設定しています。RAW画像でも少し赤みが入っているように感じたので色温度を下げていき、4500Kあたりが自分のイメージに近いかなと思いました。4000Kまで下げると青みが入って冷たい感じになってしまいます。
できあがりはこんな感じです。
オリジナルを4500Kに調整

しかし、色温度の違いは大きくなくても、印象はけっこう変わるものだなあ、と感じました。



2023年10月14日土曜日

いまさら情報:XZ-2のレンズと素子サイズ、RICOH GR DIGITAL IVと同じだった

 私のカメラライフの歴史を振り返っていました。

そのなかで、「コンパクトデジカメの葛藤とRICOH GXR購入」という記事を発見。

当時のお散歩カメラはFuji Finepix F11でしたが、その買い換え更新を検討していたとき候補に挙がったカメラのなかのひとつに、RICOH GR DIGITAL IVというのがありました。

購入には至りませんでしたが、当時話題になっていたフィルムカメラ時代のGRをそのままデジカメにしたGR DIGITALの4代目で、ずっと28mm F2.8単焦点レンズにこだわってきたシリーズの最新版(当時)が大いに気になっていました。

結局、広角28mm単焦点に踏み込む勇気がなく、単焦点28mmも後々選択可能なGXRに、とりあえず無難に24-72mmズームを備えたS10ユニットをつけたセットを購入した、というエピソードがありました。

さて、このとき候補に挙がりながら購入に至らなかったGR DIGITAL IVのスペックを見てみると・・・

28mm相当レンズの実際の焦点距離は6.0mm(開放絞り値はF1.9)、撮像素子は1/1.7インチのCCDでした。

後にGXRがお散歩カメラからMマウントのレンズユニットGXR MOUNT A12をつけてKマウントアダプターを介してオールドレンズを使うシステムに生まれ変わったあとを引き継いだXZ-2をいまもお散歩カメラとして常時携帯しています。

そのXZ-2のレンズはズームではありますが、広角端は28mm相当(絞り値はF1.8)で、実焦点距離は6.0mm・・・あれ?同じ6.0mm?ということは

XZ-2の撮像素子、当時新開発の1/1.7インチ裏面照射型CMOSセンサーを搭載しています。CCDとCMOSという違いはありますがサイズは同じ。1センチまで寄れるところも同様のスペックです。

いまの使い方は、8割方広角端でのスーパーマクロ撮影(最近接撮影)が主体なので、もしかしたらRICOH GR DIGITAL IVを選んでいても良かったかもしれません。

もしもあのときGRを選んでいたら・・・多少はお散歩カメラライフも違ってきていたかもしれません。が、あまり変わっていなかったかもしれません。そんなことを熟々考えた次第です。

2023年5月7日日曜日

大年寺山公園の山道を歩く~サルトリイバラ科のなにか? -2023/05/03

 OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8

2023年の大型連休は、4月末の通常の土日、2日間の平日を挟んで5日間の連休というカレンダーになっています。

後半の連休初日、午前中は予約していた成分献血に出かけ、昼食後の教楽院丁通りでシロバナタツナミソウが咲いているのを見て、これは向山のシロバナタツナミソウも期待できるかも・・・と思い、急遽向山、大年寺山方面へ向かうことに。

献血後の散歩程度の想定だったので、リュックにはこのカメラボディとレンズのコンビしか入れていませんでした。

M.ZUIKO 45mm F1.8レンズは、4月のあたまに手に入れた新入りです。
これまでOM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8レンズが担っていたポジションを受け継ぐレンズとして、PanasonicのZUMILUX 42.5mm F1.7とSIGMAの56mm F1.4も候補に挙がり、悩み抜いた末に「OLYMPUS」「寄れないがエクステンションチューブで対応可能(これまでのOM 50mmと同じ扱い)」「小さくて軽い」「F値が明るすぎない」という要素を勘案して、「価格が安い」という点も大きく(試してみてダメそうならほかのレンズに乗り換えればよい)との軽い気持ちも手伝って、このレンズに決めた経緯があります。

手元にある唯一のM.ZUIKOレンズである12-40mm F2.8 PROでも、40mm望遠端で寄れば0.6倍相当のマクロ撮影が可能なので、焦点距離が近くて寄れないこのレンズをあらためてラインナップに加える意義があるかどうか、という点もかなり悩んだのではありますが。

教楽院丁(北の南町通り、南の柳町通りをつなぎ、大日如来(教楽院大日堂)の東側を南北に走る通り)では、2022年11月17日に、季節外れ(?)のシロバナタツナミソウが咲いているのを初めて見つけました。(当日の日記ブログ記事はこちら

ここでは、その後同年12月5日にも日記ブログに記事を投稿しています。

向山は、2021年6月5日に私が初めてこの花に出会った場所です。坂道の途中の住宅の石垣一面に咲きます。

しかし、この記事の主役はシロバナタツナミソウではありません。向山、大年寺山へ向かうきっかけとなったことは確かですが。

~~~

仙台市街から愛宕大橋を渡り、愛宕神社のある愛宕山の下を抜けて越路(こえじ)の交差点から向山方面へ向かってまもなく、向山公園があります。

その脇から石段を登って林の中へ入っていく怪しげな道、それが「大年寺山公園」の入口です。地図を描いた看板が、石段の登り口に立てられています。

この道を数百メートル歩いて抜けると、大年寺山のてっぺん、野草園へと通じる道路へ出ます。距離としては短いですが、様々な野草や樹木があって、季節ごとに楽しめる手軽な散歩コースです。

まずはタニウツギのピンク色の花を見て、石段を登っていきました。山道へ入って間もなく、道の脇に奇妙な植物を発見。

ひょろひょろと立ち上がってはいますが、なにかに絡みつきたい気持ちが全面にあふれたひげ(?)をたくさん出しています。

P5030034
F1.8開放
1/320sec, ISO200

葉がまばらに出ていて、あいだからたくさんの花を出しています。ほとんどが丸いつぼみのようですが、開いているものもあります。

この写真を撮ったときは、ひょろひょろと伸びたひげに目が行っていて、花のほうには関心が向いていませんでしたが、さらにしばらく歩いて行ったところで、茎が切れ葉が2枚だけというこじんまりしたものをみつけ、そこではじめて花に意識がいきました。

P5030048
F1.8開放
1.250sec, ISO200

卵形の葉に縦筋が入っています。
花は目立った花びらを持っていませんが、全体に緑色と地味なわりに白く目立つおしべがあって、遠くからでも目に止まります。

たまたまFacebookで「シオデ」として写真が投稿されているのを見て、花の姿がよく似ているので、シオデそのものか近縁種だろうと思って調べてみました。

シオデはサルトリイバラ科に属する(かつてはユリ科に分類されていたとのことですが)ということで、周辺を調べていくと・・・

まずはシオデ、漢字で書くと「牛尾菜」、山アスパラガスとも呼ばれるようですが、つまりは食べられるということですね。

雑木林や林縁、草原でみられる蔓性多年草で、太い地下茎がある(これが食用になる?)。
茎は2~3メートル以上に伸びる。巻きひげで他物に絡みつく。冬には葉とともに枯れる。
葉は互生・単葉、長さ5~15センチのたまご状楕円形で光沢あり、5~7本の脈。
葉柄は1~2センチで鞘状、基部に長い巻きひげ。

そして、「雌雄異株」で雄花、雌花とも葉腋から出る散形花序に多数つく。花序には長い柄がある。
雄花、雌花とも淡い黄緑色の6弁花で、花被片は反り返る。

若い茎や新芽はアスパラガスに似た風味があり、山菜として食べられる。

分布は国内では北海道から九州、そのほか朝鮮、中国にも。

花期は7~8月とのこと。夏に咲くようです。5月あたまに咲いているこの花は、シオデではないのか?

よく似た種に「タチシオデ」があり、こちらは花期が5~6月だそうです。

こちらを調べてみます。

分布が本州、四国、九州。シオデに似ていますが「葉の形は広楕円形または長楕円形(お!)、長さは6~10センチ、先端は鈍頭で(おお!)急にとがり(え?)、基部は切形または広いくさび形(ええ?)」・・・どうもこれではなさそうに思えますが。

でも、写真に写った葉の先を見ると、ちょっと尖っているように見えます。

タチシオデは青葉山でもふつうにみられるという情報もありますので、もしかしたらこれもタチシオデなのかもしれません。

葉の裏を見ればすぐわかる、との記述もありましたが残念ながら葉の裏をキッチリ確認してはいません。