2025年6月25日水曜日

14年前のE-420とOM 28mm F2.8コンビ

OLYMPUS E-420
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8

今は2025年6月。

私にとって最初のデジタル一眼レフカメラはOLYMPUS E-420。
キットでついてきた標準ズームレンズ、ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6ではあまり撮影していなくて、ほどなく手に入れたOMマウントアダプターを介してOM ZUIKOレンズと組み合わせることが多かった。

もともとフィルムカメラ時代から持っていた50mm F1.8だけでなく、主にヤフオクで次々とOM ZUIKOレンズを入手していきました。E-420とのコンビで撮影することが多かったのは、ヤフオクで落札し(てしまっ)た28mm F2.8でした。

とくに、OM AUTO EXTENSION TUBEと組み合わせて近接撮影することもわりと多かったようです。撮影した写真をほとんど表に出していなかったのですが、画像処理ソフトPureRAW3とLuminar Neoの組合せで、ノイズを除去したり合焦部分のシャープネスを上げたりすれば、けっこう良い写真に仕上がるのではないかと思い立ちました。

E-420は一眼レフカメラですから、当然光学ファインダーを覗いてのフレーミング、フォーカシングということになります。どうもAF前提の設計になっているようで、MFではピントの山がつかみにくかったので、「Katz Eye」なるフォーカシングスクリーンを購入し換装して、MF操作性を若干向上させたのですが、それでもやはりピント合わせの歩留まりを上げるためには、ターゲットの被写体がなるべく画面いっぱいになるように寄れるところまで寄る、という方針でいくしかない、ということになっていました。

なので、今では考えられないような「どアップ」での撮影が比較的多くなるのは必然だったのでしょう。

ちょうど14年前の今ごろ(2011年6月2日)、街角で撮影した野草たちの写真をあらためて画像処理し直してみました。

まずは、EXTENSION TUBE 7mm(略してEX-7)を入れて撮ったムラサキカタバミ。

P6024869

F2.8開放, 1/640sec, ISO200
けっこうがんばって、絞り開放で花の真ん中のしべ先にピントを合わせてみました。

PureRAW3でノイズ除去しつつLuminar Neoで処理可能なDNGフォーマット形式の画像ファイルに変換し、Luminar Neoで現像、調整しました。

ピント合わせは、これくらいアップにしてギリギリなんとかなりそう、というレベル。

続いて、EX-25につけ替えてさらに接近。

P6024884
F2.8開放, 1/1000sec, ISO400

ここまでの接近戦は、今ではほとんどなくなりました。
なぜこの頃はどアップ撮影をしていたのか、なぜ今ではしなくなったのか・・・

考えてみると、いろいろと理由が思い当たります。

E-420にはすでにライブビュー機能が搭載されていますが、背面液晶が固定されているのでカメラを三脚に固定しないで手持ち撮影する際にはカメラを「捧げ持つ」必要があります。しかし手ブレ補正機構がないので光学ファインダーを覗きながらカメラをしっかりホールドしないで構えると、どうしてもブレてしまう危険性が増します。

同じフォーサーズ一眼レフカメラであるE-620やE-5では、液晶パネルの向きを自由に変えることの出来るバリアングル液晶でした。なので手持ちでもライブビュー表示しながら一部を拡大したりしてピント合わせが可能だし、そんな使い方もたいていはローアングル撮影の場合が多かったので地面に置いたりして安定を図ることも容易でした。

E-420で手持ち、ライブビューで一部拡大とすると、手ブレ補正機構をもたないので画面内で被写体が暴れてまともにピント合わせできません。

結局、光学ファインダーを覗いて直接ピント合わせするしかないので被写体のほうがファインダー内いっぱいに拡大されるような条件にせざるを得ないというわけです。

そこまでアップにするのであれば、望遠マクロでも大差ないように思いますが、手ブレ補正機構のないE-420では難しい・・・ということで、広角レンズでの近接撮影となるのです。

従って、今ではほとんどこのような使い方をしなくなっており、これらの写真は貴重だといえるかもしれません。

2025年6月4日水曜日

OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8 レンズ

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8 

所有するOM ZUIKOレンズはいくつかありますが、その中で最初からというのは2本だけ、あとは中古購入品やネットオークションで入手したものです。

28mm F2.8は、Yahoo! オークション(ヤフオク)で落札したものですが、完全な手違いだったという異例の入手ストーリーを持っています。

検索して出てきた出品物の一覧から、気になったものを「ウォッチ」リストに入れておくと、入札しようかどうしようか迷っているときや、とりあえず入札動向をチェックしたいときに便利です。

そしてこの28mmレンズも、軽い気持ちで「ウォッチ」ボタンを押そうとしたら、間違って「入札する」ボタンを押してしまったのです。

幸か不幸か、その後だれからも入札されずそのまま落札。特に欲しいというわけでもなかったこのレンズが手元に届いたというわけです。

さてこのレンズ、ピントリングを左右に回してみると、逆回転する際に「カクッ、カクッ」と変な感触があり、実際にレンズ群自体も横に動いているようです。

もしかしたら、一度分解して組み立てたものなのかもしれません。組み立てかたがあまり良くなかったのか・・・?

でもそれ以外は動作に問題があるわけでもなく、光学系に致命的な傷やカビ、ゴミの混入などはないようですので、使用に支障はありません。

導入のきっかけがこんな感じで、特にこのレンズでこんなものを撮ってやろう的な野望もまったくなかったので、50mm F1.8や50mm F3.5マクロなどほかのレンズほど活躍の場を与えられたわけではありませんでした。

しかし、いざ使ってみると意外にもカッチリよく写る印象で悪くない。(マイクロ)フォーサーズ機で使用すれば56mm相当の標準画角で、30センチまで寄れます。

寄り、という点ではもう一声欲しいので、OM AUTO EXTENSION TUBE 7mmをマウントとの間に入れます。そうするとアップになるというだけでなく、被写界深度も極端に薄くなり全体的にソフトなムードが出てきて、レンズ単体での鋭さとは真逆の性格になるところがおもしろいです。

2025年5月28日の昼休み、東北大学片平キャンパス内のほとんど人通りもない一角で、花の時期がすっかり終わったスズメノエンドウをこのレンズを使って撮影してみることにしました。

レンズ単体で撮影すると、やはりクッキリシャープに。

P5280005

しかし、手前に置いた主役と後ろの背景とのあいだが大きく離れてはいないので、スズメノエンドウ独特の、蔓の両サイドに並んだ細い葉のかたちがボケ切っておらず、少しうるさい感じになってしまいました。

そこで、7mmのエクステンションチューブの登場です。

XZ-2, P6012522

これを入れてグッと接近してみると・・・

P5280006

できたての若い実が浮かび上がってきました。細かい、白い毛がやわらかい質感を感じさせます。一本のレンズが、短いチューブを挟むだけでもう一本別のレンズがあるかのようです。

とても欲しくて手に入れたわけではないレンズですが、なかなか使いでのある良いレンズだと思います。

2025年5月20日火曜日

エンレイソウの脇から顔を出しているこのつぼみは? -2025/05/11 秋保大滝周辺の森にて

OLYMPUS OM-D E-M1 mark III
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

連休明けの日曜日、秋保大滝方面へ車で出かけました。

といっても、秋保大滝を見るのが目的ではありません。
秋保大滝不動尊の脇から入って行く山道を歩くのが目的。

今の時期は、さまざまな山野草が次々と花を咲かせ、4月~5月のあいだならいつ行っても何らかの収穫があるのです。

今年は4月20日にも一度訪れていて、多くの山野草を堪能しました。その中でエンレイソウが花咲いていたのが、さすがに3週間も経っているので花は終わって実がふくらんでいる状態でした。

しかし今回の主役はエンレイソウではなく、その葉と葉の間から首を出していたつぼみの段階の野草です。

写真はこちら

P5110049
12mm F2.8
ISO3200 1/1000sec

葉は楕円形でいわゆるぐるりと輪生。てっぺんにいくつか白いつぼみがついています。
大きく葉を広げているこのエンレイソウの周辺には、この植物のなかまがいくつか見られます

もう一枚、アップで撮った写真もあるにはあるのですが・・・

P5110050
40mm F2.8
ISO3200 1/1600sec

葉の表側はザラザラしているのかもしれないな、という印象は受けます。いちおうネットで検索してみると・・・

クルマムグラ

オククルマムグラ

のいずれかであろうと、ここまではなんとか絞り込めています。しかし、ここからは葉の裏や茎にまばらな棘が出ているかどうかが決め手になるようなので、これらの写真だけでは決定打とはならないです。

は!これは・・・

クルマムグラという名前にピンときました。過去を振り返ってみると
ちょうど1年前にもまったく同じようなことをやっていました。

別のブログにも記事にして投稿していましたのでよろしければそちらもどうぞ

しかし進歩してないなあ・・・

1年前(2024年5がつ19日)のときのエピソードもこのブログの別記事にしましたのであわせてご覧ください。

「種の同定」には絞り込み撮影も必須か -2024/05/19

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

まる1年前の2024年5月19日、車で秋保大滝方面へ出かけ、秋保大滝不動尊の脇から山道へ入っていって晩春から初夏の山野草を楽しむウォーキングを堪能しました。

そんな中で、名前がわからない野草が目に止まり、あとで調べようと写真撮影に臨みました。

街ではよく見るヤエムグラみたいな感じだなあ・・・
だけど花が咲いているのは一つだけで、あとはもうイガイガの実になっています。

これは花のかたちがよくわかるように撮影しなければ!・・・という気持ちが強すぎたからか
こんな写真になりました。

P5190038
40mm F2.8
ISO400 1/2000sec

咲いた花のついた花茎がこちら側に突き出ているので、絞り開放ではピントを合わせた花以外はみなピンぼけになります。

花が主役なので当然それで良いわけですが、名前がわからないこの植物、あとで調べるには葉や茎などのようすもわかるように、芸術性よりもまずは図鑑的に全体が明瞭にわかるくらいまで絞り込んで撮っておけば良かった、せめて各パーツごとのアップ写真を撮っておけば良かったと後悔しています。

この写真自体は狙い通りで気に入っているのですが、ほかにも2枚撮ったにもかかわらず、みな同じような条件、フレーミングにしてしまっていました。ああ・・・

いちおう、葉のかたちのシルエットなどから「クルマムグラ」もしくはそれとよく似ている「オククルマムグラ」のいずれかだろう、というところまでは絞り込んでいるのですが、それ以上は「葉の裏や茎に棘があるかないか」がはっきりしなければ判定できません。

Facebookのグループに投稿して教えてもらおうとも考えてやってみましたが、コメントはまったく得られませんでした。やはりこの写真だけでは判定できないのでしょうね。

別のブログでも同様の記事を投稿していました。

1年も経ってから過去の写真を引っ張り出してきたのはなぜか。
それは、1年経った2025年5月11日、このときと同じように車で行った秋保大滝近くの山道。

まだつぼみの段階でしたが、おそらくこれと同じものを見つけて写真に撮っていました。そのときもまた、ちゃんと名前を調べるための情報源となる写真を撮っていなかったので、またもやクルマムグラかオククルマムグラかをはっきり判定することができなかったのです。

未知の植物を撮影するときは気をつけよう、ということです。1年前に反省していたはずなのに、未だに同じ過ちを・・・なんということか。


2025年5月11日日曜日

林の中での撮影、奥行きを取るか広がりを取るか -2025/05/11

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8


Leica判での24mm - 80mm相当、いわゆる広角から中望遠までをカバーする標準ズームレンズ。極端に明るすぎず、また暗すぎないF2.8という開放絞り値。

手が比較的小さい私としては、少々鏡筒の太さが大きく感じますが
かつてフォーサーズ機で使っていたOLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWDに比べればずっとコンパクトです。

ズーム全域で20センチまで寄ることができ、望遠端40mmでは0.3倍(Lica判で0.6倍相当)のマクロレンズとしても十分に使える仕様になっています。

ボディと合わせて防塵防滴、全天候型万能撮影システムとなります。

広角端12mmでは、引いて周囲を広く入れたショットや20センチまで寄ってワイドマクロショットを楽しんでいますが、開けた場所からの風景写真ではなく、比較的小さな空間内での広がりや奥行きを感じられるように撮ろうとしたときには、フレーミングつまり横位置で撮るか縦位置で撮るかが大事になると思います。

仙台市街から車で1時間程度で行くことができる秋保大滝。秋保大滝不動尊の脇から大滝のほうへ降りて行くちょっとした山道があり、たった100~200メートルほどの短い区間ですが、季節の山野草を存分に楽しむことができます。

花の時期は短いものが多いので、訪れたその日ごとに見頃な花が異なり、いつ行っても毎回違う楽しさがあります。

この日は道の脇、少し開けたところに白いユキザサの花が咲いていました。まだ少し時期が早いようでつぼみもまだ多く、咲いているのは半分程度でしょうか。

P5110024

40mm F2.8
ISO3200 1/800sec

さて、広角端にズーミングして周囲の状況も取り込みながら絵作りをしてみます。

まずは縦位置で撮影。

P5110025
12mm F2.8
ISO3200 1/640sec

上のアップで撮ったときはしゃがんでいましたが、この写真を撮るときは立ち上がって中腰くらい。ちょうど奥に杉林があって、その根元あたりが入ったので、何もない平地よりは奥行きが感じられるようになったと思います。
でも、なんだか左右、とくに右側が窮屈に感じられたので・・・

そのまま横位置に回してもう一枚撮影。

P5110026
12mm F2.8
ISO3200 1/640sec

右側にすこし空間を作って、主役のユキザサを左手前に持ってきましたがどうでしょうか。

私が所有する17mm相当の超広角レンズ、KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8なんかを使えば、縦でも横でも奥行きと広がりを十分感じられる絵が作れるとは思うのですが、24mm相当のズームレンズ広角端でもなんとか思った通りの写真が撮れていると思いますがいかがでしょうか。


とりあえず身軽に少ない機材で、様々な状況や要求に応えられるように準備するという点では、この機材セットはとてもお手軽です。

2024年12月9日月曜日

【雑談】XR RIKENON 50mm F2Lのはなしふたたび

 2024/12/09

RICOH XR RIKENON 50mm F2の初代が世に出たのは1975年のことだったそうです。

富岡光学が設計したいわゆる「和製ズミクロン」と呼ばれたレンズです。

以前、いろいろと調べたことについてまとめて記事にしました。

今回は、もう少し突っ込んでXR RIKENON 50mm F2Lについて考えてみたいと思います。

私が持っている「F2L」は同じ光学系でパーツの大部分をエンジニアリングプラスチック製にしたもので、未確認ですが1980年発売とのこと。

どちらも富岡光学製で、これ以降は設計がガラリと変わり、日東光学製となりました。

ということで、F2を「前期型」、F2Lを「後期型」と呼ぶこともあるようです。

ちなみに、日東光学設計の3代目以降は

3代目「XR RIKENON 50mm F2S」が1981年発売、4代目「RIKENON 50mm F2」が1982年発売、5代目「XR RIKENON 50mm F2P」が1984年発売

となっており、私の「XR RIKENON 50mm F2L」は1980年に発売されたものの、すぐ翌年に「F2S」が出たということで、短命だったというわけではないでしょうが、このシリーズは全体的に早いサイクルで次々と新世代版が登場していたということになりますね。

同じ富岡光学の手による「前期型」F2と「後期型」F2Lでは最短撮影距離が異なり、前期型0.45メートルに対して後期型は0.6メートルとなっていますので、光学系を再設計したようだとコメントする記事もみられます。

実際のところはどうなんでしょうね。

個人的には、当時高い精度が求められるカメラレンズのパーツをほとんどエンジニアリングプラスチックで組んだときの精密さに自信がなかったのか、部品の寸法精度が十分ではなかったのか、実際に出来上がったF2LをF2と性能比較したときに近距離での写りが基準を満たさなかった(あるいはばらつきが大きかった?)ために、安全を見越して撮影距離を0.6メートルまでに制限したのではないか、と思っています。

このF2Lレンズで0.6メートルより近づきたければ、エクステンションチューブ(PENTAXの接写リングK、いちばん短い9.5mmのNo.1)を使えばよいわけで、同じ0.45メートルの距離で同じ被写体を撮影して比較してみればよい・・・実験してみる気はないですが、もしかしたらそのうち試してみることがあるかもしれません。


2024年12月4日水曜日

初の組合せ、GXRとTAMRON 28-105mmズームレンズ -2024/12/04

RICOH GXR
RICOH GXR MOUNT A12
TAMRON SP 28-105mm LD Aspherical IF (176A)

ポツリ、ポツリと極々たまにしか持ち出すことがないレンズ。
大きく、重い。特段写りが良いというわけでもない。
所有している他のレンズにはない特別なスペックというものもない。
メーカーのHPを見ると・・・

発売は1997年、最短撮影距離0.5メートル。
APS-CのGXRでは42mmから157.5mmまでの準標準から中望遠の領域となります。
テレ端ではそこそこ寄れる、という感じですがワイド端のほうでは「ふつう」。
フィルターサイズが82mmと、かなり大きくて
最近ほぼ常用しているC-PLフィルターをとりつけることが可能かどうか、微妙なところです。(現在このサイズのフィルターは持っていない)

このレンズ、気に入っている点は
非常にソフトな写り
丸ボケもやわらかくてウルサくない

これまでは、購入当時のOM-2 spot/programとの組合せに始まり、フォーサーズの一眼レフ、そしてマイクロフォーサーズのミラーレス一眼・・・
最近になってGXRのマウントユニットにOMマウントレンズが装着できるようにアダプターを導入したにも関わらず、いままで一度もこのレンズを装着して撮影したことがありませんでした。
今日は、初の組合せで片平の放送大学宮城学習センター(旧東北帝国大学理学部生物学教室)の庭をフィールドに、終盤に差しかかった紅葉のようすを撮影してみることにしました。

GXR+T28-105, R0021804

かなり葉が落ちて地面を落ち葉が覆っています。
でも、まだ木の枝にも葉がある程度残っていて、バランスとしては悪くないです。

GXR+T28-105, R0021820

この写真は望遠端105mm、絞り開放で撮ったものです。
丸ボケの大きさも柔らかさも申し分ないと思います。
ISO1600で撮影したのでけっこうノイズが入りましたが、Luminar Neoの強力なノイズ除去で滑らかに、そしてピントが合っていても収差のせいかシャキッとしない部分はスーパーシャープ処理でメリハリをつけました。

片平丁の通りに面した日当たりの良い木では、モミジの葉も鮮やかな赤色まで紅葉しますが、ちょっと中に入り内側に向けて枝を広げる木では、日当たりがあまり良くないせいか完全に紅くなりきることができていません。しかしこれがかえって良い色合いになっています。葉脈周辺だけが紅くなり、縁は色が薄くてまだ黄色いものもある。このグラデーションは一様にベタッと真っ赤になっている葉よりも風情が感じられます。

GXR+T28-105, R0021853

これも望遠端105mmですが、F5.6まで絞りました。
このレンズは絞り羽根が9枚、F4くらいまでは丸ボケが丸いですが、F5.6まで絞ると九角形がわかるようになります。
とはいっても、まったく気にならないですが。

さて、このグラデーション紅葉、とても良い雰囲気を感じるのですが、それは撮影したRAW画像を現像、処理して仕上げる段階になるとまた新たな難しさをもたらします。
トーンを落とせば葉の中心部分の赤がより濃く出ますが全体的に暗く重たくなります。
上げれば明るく、柔らかさがより強調されますが葉の中心部から縁にかけての色の変化が不明瞭になります。
さてどのようにすればよいか・・・非常に悩みました。

GXR+T28-105, R0021855

この写真では上から見下ろすアングルにしたので、バックは地面。
丸ボケが入ることもなく「葉のトーン」だけを気にすれば良いのですが、ちょっとしゃがんで水平くらいのアングルへ持っていくと

GXR+T28-105, R0021856

背景が地面ではなくなり、木々の間から漏れてくる光が丸ボケを作ります。
この丸ボケを活かしたいですが、背景の明るさ、主役の葉の色合いやグラデーションの明瞭さなどをベストなバランスに持っていくのは容易ではない・・・

この写真の処理について、facebookの「開放レンズライフ」グループに投稿してそのあたりを訊ねてみました。

いただいたコメントでは、
トーンをさわるならS字カーブにしてはどうか
ヒストグラムのハイを下げ、ローを上げて上下からギュッと圧縮する手もある
と教えていただきました。

撮影そのものについてもまだまだ修行が必要ですが、撮った写真を画像として処理する際にも、まだまだいろいろと身につけなければならないテクニックがありそうです。
経験数を増やしていくしかないでしょうね。
あまり「プリント」しないのも問題かもしれません。
PCの画面で見るだけではダメかも・・・