2011年5月30日月曜日

「縦グリ」考・・・再び

去年の暮れ、E-620にパワーバッテリーホルダーHLD-5、いわゆる「縦グリ」導入を検討したことがあります。(記事はこちら



HLD-5

E-620に装着、かっこいい(オリンパスイメージングWebページより)

今年も春から本格的に、週末の「青葉の森撮影」を始めましたが、やはりライブビューをフル活用しての撮影ではバッテリーの減りが早いです。

しかも、私の場合縦位置での撮影比率がけっこう高いようで、(三脚を使うときにはほとんど関係ないですが)縦グリがあってもいいかなあ、などとまた忘れていた感情が呼び覚まされたのです。

しかし、私はファインダーを覗くとき左目を使います。
よく右手と眼鏡の右レンズが干渉して撮りにくかったり・・・

どうも(オリンパス製に限らず一般に)縦グリは、
カメラを反時計回りに回して縦位置とする場合(右手が上に来る)に対応しており、逆まわり(右手が下に)で使おうとしてもグリップとしては機能しないですね。
まあ、単純に文字通りパワーバッテリーホルダーとして使うにあたっては何も問題ないのでしょうが。

しかし、
三脚に固定して縦位置で撮る場合を考えると、三脚取り付け穴が荷重に耐えられるかどうか少々心配になります。
三脚自体も、重たいモノが横に伸びるわけですので、脚を短くしてあまり広げずに使おうとすると、横に倒れてしまいそうです。

さらにやっかいと思われるのが、
OM AUTO-EXTENSION TUBE 65-116mmを使う場合です。

このエクステンションチューブには三脚座がついていますが、これで三脚に固定した場合、HLD-5が三脚の付け根と干渉してしまいそうです。
少なくとも、下から見上げるようなアングルはかなり困難となりそうですね。まあ、ほとんどは見下ろすアングルになるのでそれほど問題にならないかもしれませんが。

現在使用している三脚と雲台(Velbon Geo Carmagne E443)を、もう少し頑丈なものに買い換える必要がある?
Velbon Geo Carmagne E443

縦グリを導入するとなれば、今のショルダー薄型タイプのカメラバッグではうまく収まらない可能性もあります。バッグと三脚を新調するとなれば、かなりの出費になってしまいますね。

また今回も妄想のみで収束するのか?

2011年5月28日土曜日

(今更ですが)OM28mmF2.8レンズ入手直後のテスト撮影 -2010/09/01広瀬側堤防

OLYMPUS E-420
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8

先ほどの記事でOM 28mm F2.8レンズを取り上げた際、このレンズ入手時の様子を思い出そうと過去の記事を見返していると、入手直後に広瀬側でテスト撮影し、そのときの報告をこのブログで行うと予告していました。

・・・が、すっかり忘れていました。

そのとき撮った写真を見てみると、何となくその理由が分かる気がしました。
つまり、思ったようにうまく撮れなかった、ということのようです。

改めてよく見てみますと、けっこうシャープに撮れているショットもいくつかあります。
せっかくなので、ここでいくつか紹介したいと思います。

季節もぜんぜん違ってますが、ご容赦を。

ちなみに、このときはまだOM用のエクステンションチューブはひとつも所有しておらず、購入の検討中という段階だったようです。
このレンズには、7mmのチューブがベストパートナーだと思いますが、その当時そんなセッティングはできるわけもなく、ただライカ判56mm標準レンズ相当の画角でがんばるしかありませんでした。

画角が広く、被写体が小さくごちゃごちゃと詰まった画面で、思うところにピントを合わせるのは至難の業です。

テストの舞台となったのは、2010年9月1日朝の広瀬側堤防です。広瀬橋から川の河原町側をさかのぼっていったあたり。
最初のターゲットはツユクサの花でした。

P6011666
F2.8開放、1/1600sec (-0.7EV), ISO200

背景が暗めですので、0.7段アンダーに設定しています。この当時は、とくに深く考えていなかったように記憶していますが、うまく花を白飛びさせずにおさめることができました。
ピントも発色もまずまずです。

50mmレンズでは被写界深度が浅くなり、ピント合わせが難しくなるところですが、絞り開放でもある程度深度が稼げるこのレンズは、うまく被写体と背景を選べば、クローズアップでなくとも比較的容易にピント合わせができます。

もう少しおもしろみのある背景であればよかったのですが・・・

ツユクサの葉の先に小さな虫がいました。たぶんカメムシの仲間ではないかと思います。
このレンズは最短撮影距離が30センチですが、めいっぱい寄っても・・・

P9011694
F2.8開放, 1/2000sec, ISO400

主役の虫がこんなに小さく、そして背景のはずの石がこんなにはっきり大きく写ってしまいました。
しかも、なぜISO400に感度設定を上げたのか・・・

それはこの前に撮ったショットでの環境が薄暗く高感度設定にしたまま戻すのを忘れていたか、あえてこの設定を選んだか、今となっては自分でもわかりません(手ブレ補正機構のないE-420でのスローシャッター撮影を極度に恐れていた当時の私としては、この設定選択は必然だったのかもしれませんが)。

せっかくなので、この虫を切り出してみることにします。

P9011694

ピクセル等倍になっていると思いますが、なかなかシャープな写りですね。さすがに絞り開放では全体にわたってピントが合っているわけではなく、背中に合わせているために頭のほうは若干ピントが外れていますが、十分です。

このときに7mmのエクステンションチューブを持ち合わせていたら、もっと鮮明な写真が得られていたでしょう。

背景も、(これはまったくの偶然ですが)ちょうど虫の背後が明るくなっていて(おそらく葉)具合がよくなっています。

どうも、当時はこのレンズの実力を軽んじていたようです。
もっとも、このレンズの魅力に気づいたのは恥ずかしながらごく最近、入手してから9ヶ月ちかく経ってからのことです。

まだこのブログに写真をアップしてませんが、そのうちまた・・・(とかいって、また忘れてしまうかもしれませんが)

ツクバネウツギ -2011/05/21青葉の森(完結編)

OLYMPUS E-620
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8

バックナンバー
ツクバネウツギ -2011/05/21青葉の森
ツクバネウツギ -2011/05/21青葉の森(芸術編)
ツクバネウツギ -2011/05/21青葉の森(芸術編~その2)

4回連続となるツクバネウツギ写真の記事投稿、これが最終回です。
これまで、花のアップのみでしたので、この木がいったいどんな環境に育っていたのか、そして全体像はどうなっているのか、わかりにくかったと思います。

そこでその場を離れる前、最後にOM 28mm F2.8を使って全容を撮っておこう(あとで名前を調べるときのためにも)と。

P5212667
F5.6, 1/50sec, ISO400

松の木の下に、このように生えていました。周囲に目立った花はなく、このツクバネウツギの木のみが白く目を引く存在でした。

この写真、単なる記録のために撮ったものですが、ピントを合わせた一番手前の花をピクセル等倍で切り出してみると・・・

P5212667

Webでの閲覧程度であれば、十分な画質と思います。
このOM 28mm F2.8レンズは、ネットオークションで2010年8月末に入手したものですが、そのとき投稿した記事にもあるとおり、特に必要に駆られたわけでもなく、ものすごくほしかったわけでもなく、ただなんとなく入札してみたら落札してしまった・・・というかわいそうなレンズなのですが、もしかすると図らずもよい買い物であったのかもしれません。

ツクバネウツギ -2011/05/21青葉の森(芸術編~その2)

OLYMPUS E-420
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

前々回前回に引き続き、もう少しツクバネウツギです。
今度はボディをE-620からE-420にかえて、手持ちでチャレンジしてみました。
私のE-420は、本革ボディージャケット導入以来手持ち撮影専用になっています(なぜなら、ジャケットで三脚穴がふさがれてしまっているため)。

そして、この日初めての手持ち撮影にもかかわらず、無謀にもエクステンションチューブ25mmと14mm連結の計39mmを入れた超クローズアップです。
いったいどうなるのか?

最初はこちらから。

P5214150 (original)
OM EXTENSION TUBE 14+25mm
F1.8開放、1/160sec (+0.7EV), ISO400

絞り込まなければ、シャッター速度も手持ちでなんとかなるレベルにできそうです。それでも、とても浅い被写界深度で、呼吸するだけでもピント位置が前後に動き、さらに風で被写体自身が揺れるので、大変難儀しました。

なんとかかんとか、こちらに突き出ためしべの先にピントを持って行き、手ブレも最低限に抑えられたと思います。
この写真は、RAW現像時に手を加えずオリジナルそのままです。
やはりコントラストが低く背景の緑の深みが弱いので、RAW現像の段階でトーンカーブを調整し、暗い部分をさらに引き下げて締めてみました。

P5214150
主役であるめしべの先は、より立体感が出た感じです。でも、コントラストが上がったことによって、やわらかい感じはなくなってしまったかもしれません。
どちらがよいか、難しいところですね。

じつは、花の右脇に淡い丸ボケが入っているのですが、うまく見ることができるでしょうか?

この後、ほぼ同じアングル・フレームで絞りをF4まで絞った撮影を試みましたが、シャッター速度が1/30秒、1/40秒と遅くなったため、ブレて(手ブレか被写体ブレかはわかりませんが)しまいました。

ダメ元で、F4に絞ったまま内蔵フラッシュを焚いてみることにしました。
白飛びしてしまうのを恐れてISO感度を下げ、フラッシュ光量は1/64に落としました。この条件では、シャッター速度は1/100秒に固定されます。

P5214153
OM EXTENSION TUBE 14+25mm
F4, 1/100sec (+0.7EV), ISO100, 内蔵フラッシュ強制発光 (1/64)

これは光量を絞りすぎてしまったようです。・・・というよりも、もしかするとレンズの影になって肝心の花にフラッシュの光が当たっていない可能性も。
うしろの葉のほうが上から来る光に明るく照らされています。

それでも、ピントはまずまずのようなので、RAW現像時に最大限のプラス2段補正をかけ、トーンカーブも調整してみました。

P5214153

少し色のコントラストが低くなっているのは仕方のないところですが、見られなくなるほどノイズが入ってしまうということもなさそうです。
ISO感度を落としていたことが奏功したのかもしれません。
もし、まったくフラッシュの光が花に当たっていなかったなら、むしろフラッシュを焚かずに1/100秒程度のシャッター速度を確保して撮ったほうがよかったかも?

もうすでにOLYMPUSの販売ラインナップから外されて久しい、旧世代のデジタル一眼であるE-420ですが、操作性や携帯性はもちろんのこと、こうして実例を見てみるとはき出す絵の画質も十分鑑賞に堪えるレベルだなあ、と感心します。

今度は上から見下ろして撮ってみることにします。

P5214155
OM EXTENSION TUBE 14+25mm
F1.8開放、1/80sec (+0.7EV), ISO400

なんとかうまくしべの先にピントを持って行くことができました。オレンジの網目模様も適度にボケて、目立ちすぎることもなく控えめに背景に溶け込んでいます。

三脚撮影では時間をかけてアングルや距離感を決め、じっくりピント合わせしたり露出を考えたりする余裕が確保できる反面、機動性には欠けます。
手持ち撮影はブレやピンぼけのリスクは伴いますが、自由に素早く、しかもファインダーを覗いた状態のまま連続的にフレームやアングルを変えることができるので、捨てがたい魅力があります。

特に、ピントリングではなく身体自体を前後に動かしてダイナミックにピント合わせするので、ぼーっとした霧の中から被写体がふわっと現れて突然「ビシッ」とクリアになる瞬間をファインダー越しに眺めるだけでも、かなりエキサイティングです。

これは、背面の液晶モニターでのライブビュー表示や、電子ファインダーでは味わえないところではないでしょうか。
少なくとも、OLYMPUSでは普及機であるE-三桁シリーズの後継機種は出さない模様ですが、光学ファインダーのよさを味わうには、軽量コンパクトで手軽なこのE-420は、今となっては貴重な存在となってしまいました。

ただ、そんな楽しみを味わえるのは明るいオールドレンズを使った超クローズアップ撮影のときに限られるかもしれません。
私のE-420は、あんなこんな、そしてそんな紆余曲折をたどって海外からフォーカシングスクリーンを取り寄せ交換してしまっていますし、さらにマグニアイピースもつけている「MF専用特別仕様」です。
AF撮影を半ば放棄した形となってしまったこのE-420に、当初出番が極端に少なくなるのでは?けっこうな投資をしたのにそれが無駄になるのでは?と心配しました。
しかし、手持ち、ファインダーでのMF撮影に不向きと思い込んでいたE-620が意外と使える、とわかったあとでさえも、まだまだ活躍の場を失っていないのは、やはりこの機種の完成度の高さを証明しているのではないかと思います。

そう考えていくと、E-420へのMF操作性向上のためのフォーカシングスクリーン交換とマグニアイピース装着、グリップ感向上のためのボディージャケット購入装着といったスタイルアップは、いずれも絶大な効果をもたらしたといえるかもしれません。
(ちょっと大げさか?いや、決して大げさではありませんよ)

(ツクバネウツギ、もう一回だけつづく)

ツクバネウツギ -2011/05/21青葉の森(芸術編)

OLYMPUS E-620
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

前回に引き続き、ツクバネウツギです。
こんどは、カッチリ描写が鋭いマクロレンズから、絞り開放でやんわり幸せな気分を味わえる50mm F1.8レンズへとスイッチしました。

いきなり、エクステンションチューブ装着!しかも25mmを2個連結で!

P5212661
OLYMPUS OM EXTENSION TUBE 25mm x2
F1.8開放、1/200sec (+0.7EV), ISO400

これぞボケの妙味。マクロレンズではここまでの感じは出せません。

ファインダーを覗いたときの一番の狙いは上のしべ、特に前へ突き出しためしべにあったのですが、残念ながら後ろの白い花びらに溶け込んでしまって、いまいち浮き出てきませんでした。
コントラストを強調して背景から浮き立たせることも考え、やってみましたが・・・下のオレンジ網目模様がどんどん強調されて、ますます主役の座を奪われる結果に。全体的にも不自然になってしまうので、コントラスト調整作戦はやむなく撤退と相成りました。
もう少し下のアングルから狙って、めしべを背景に抜けばよかったかも・・・とあとで少々反省。

どうせ主役がオレンジ模様になってしまうなら、こっちをもっと強めてやるか。
と、最近覚えたR, G, B独立にトーンカーブを調整して目的の色だけを強調したり弱めたり作戦に切り替え。

Rの明るい部分だけ少し持ち上げてみました。

P5212661 (R-tone was tuned)

ちょっと控えめな調整で、ほとんど違いが出なかったかもしれません・・・
もともとこのレンズ、コントラストはそれほど強く出ないフラットな発色なので、あまり無理してトーンカーブを触ると不自然になってしまうおそれがあります。このあたりでとりあえず終了にしましょう。

せっかく三脚を立ててじっくり撮っているので、1枚だけではもったいない。絞りを絞ってみると、

P5212662
OLYMPUS OM EXTENSION TUBE 25mm x2
F4, 1/60sec (+0.7EV), ISO400

メリハリがつき、コントラストも高まりました。しべもくっきり、模様もはっきり・・・
でも、これではこのレンズ「らしさ」があまり出ていないような気がします。これなら50mm F3.5マクロレンズに25mmエクステンションチューブを1個つけて撮ってもほぼ同じ写真が撮れるのでは?

やっぱり「印象派」写真としては先のもののほうがよさそう。

同様の比較を別の花、別アングルで試してみました。

P5212663
OLYMPUS OM EXTENSION TUBE 25mm
F1.8開放、1/200sec (+0.7EV), ISO400

このケースではエクステンションチューブを1個外して、少し引きで撮りました。
先ほどの、どアップ写真に比べると少々やわらか感は抑えられていますが、花の奥からこちらに突き出したしべや、下の花びらに生えた柔らかく細い毛が浮かび上がっています。

これを絞って撮ると、

P5212664
OLYMPUS OM EXTENSION TUBE 25mm
F4, 1/60 (+0.7EV), ISO400

コントラストが高まり、しべの先の立体感や毛のくっきり感が増しました。また、先の写真ではややピンを外していた左上の花びらにもピントが行き、ディテールがはっきりと表現されています。
絞り開放ではただの白色にしか見えなかった花びらも、実はほんの少しピンクがかっていたことがわかります(小さくリサイズしたこの写真でうまく伝わるか・・・)。
花全体の特徴を明瞭に示すという観点からは、やはり図鑑的な写真といえそうです。これもマクロレンズを使えば、同様の写真が撮れそうですね。

しかし、この50mm F1.8レンズ、F1.8開放と少し絞ったF4とで比較すると、色のコントラストがずいぶん変わるものだと改めて再認識させられました。

芸術編、こんどはカメラボディをかえてさらに。
(つづく)

ツクバネウツギ -2011/05/21青葉の森

OLYMPUS E-620
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5

5月に入ってから、青葉の森にはほぼ毎週末に通っています。
この日は、青葉台側から降りていくコースで森に入りました。

旧わんぱく広場へ降りていく入り口に少し開けたスペースがあるのですが、一本の木の下に細い枝を低く広げて白い花をつけた樹を発見(というかよく目立ってました)。

その後森の中を回っていくと至る所で目につきましたが、このときは初めてのご対面だったので、主目標だったマイヅルソウのポイントへ行く前に三脚を立て(というか拡げ)ました。

花の名前が分からなかったので、まずはあとで調べることを考慮して、くっきり写せるマクロレンズで「記録」として撮ることに。
※あとで、この花が「ツクバネウツギ」であることを教えていただきました。

P5212656
F8, 1/15sec (+0.7EV), ISO400

いつも絞りを開けて、ムード重視の画作りをするのですが、ここは絞りをなるべく絞って・・・
やはり目が行くのはしべ。そちらにピントを持って行きます。すると、それでも花の付け根のほうはややピンぼけに。まあ、それでも萼片(がくへん)がいくつかに分かれている・・・くらいは見て取ることができます。(しかしこれは重要な識別ポイントであることがあとで判明。ほかにも撮っておいてよかった)

とにかく辺りが薄暗いので、私の中では許容範囲上限の高感度ISO400の設定で、背景の暗い部分の粒状が荒れてしまわないように、オーバー露出よりにしました。
ただしあまりオーバー設定にすると、白い花が飛んでしまうので少々控えめに0.7段。

・・・たしかそんな気持ちで露出設定したようなかすかな記憶。

シャッター速度はどうしても遅めの設定になる上に、細くて長い枝の先についた花は少しの風でもゆらゆらと揺れてしまいます。
本番(マイヅルソウ)前の前哨戦、素早く切り上げたい気持ちはありますが、ファインダー越しにこの花を見ると、やはり美しい。
花期が短いのか長いのかわからない。従って、次に来たときも咲いているかわからない。
ここはおろそかにできません。

去年はマイヅルソウで失敗していますし・・・

きっちり撮ると腹を決めました。
ここでいう「きっちり」とは、手を変え品を変え、引き、寄り、深ピン、浅ピン、抽象的、図鑑的・・・いろんな雰囲気で撮りまくり、という意味です。

P5212657
F3.5開放、1/80sec (+0.7EV)、ISO400

ちょっと色気(?)をだして、絞りを開けて1ショット。後ろの花も入れたかったので、中途半端に目立つよりはぼかして背景に溶け込ませたかった、という正当な(?)理由もあります。

ここでは、不織布のような繊細な花びらにピント(のつもり)。

P5212660
F8, 1/30sec (+0.7EV), ISO400

花をやや上方から眺めてみると、下の花びらの内側には淡いオレンジの網目模様。これもこの花の特徴のように思われます。
きっちりとマクロレンズで、かつ絞りを絞って。

・・・でも、上から少しだけ顔をのぞかせているしべも気になる。こちらを主役にするには、特徴的な網目模様はかえって目に障るような気がして、やっぱり絞りを開けたショットも押さえておこう。

P5212659
F3.5開放、1/50sec (+0.7EV), ISO400

・・・しかしシャープさが売りのマクロ、しかも開放絞りF3.5のこのレンズ、芸術性(?)を出すには少々まじめすぎる感が。

絞りを開けてもシャッター速度を劇的に稼げるわけでもなく、もしかしたらやや被写体ブレが出ているかも。
その上被写界深度は容赦なく浅くなりますので、せっかく狙った主役のしべ先も、風に吹かれてかジャストのピント位置から少し逃げてしまったようです。

ここは芸術家レンズ(?)、OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8にスイッチすることにしましょう。
(つづく)

2011年5月27日金曜日

【私のカメラ史メモ】E-620購入秘話(?)

私のデジタル一眼歴の始まりは、2008年7月にスイスのZurichで開かれた学会参加のための出張がきっかけで、E-420の標準ズームセットを買ったとき。

昔使っていたOM-2 Spot/Programに愛着もあり、でもフィルムはなんとなく億劫。コンパクトデジカメ(Fuji Finpix F11)を主力にしていましたが、物足りなさも感じていた・・・

そこで思い切って、E-420を購入したのでした。
コンパクト軽量、という実用的な面もさることながら、OMを彷彿とさせるボディデザインが決め手となりました。

気持ちよく使っていたのですが、コンパクトとさほど使い方が違わない状況では、どうしても依然として手軽なコンパクトの出番が多く、対して一眼は、常に携帯するわけにもいかず敢えて持ち出すのも面倒・・・

しかし、
2010年2月1日、OMレンズを取り付け可能なアダプター、MF-1を購入して、押し入れにしまい込まれていたOMレンズ達に出番を与えてみると、これがかなり楽しそうだとわかりました。

特に、
高校生時代は見向きもしなかった標準レンズ、OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8が100mm中望遠相当の明るいコンパクトレンズとして蘇り、ますます写真撮影への意欲が増していったのでした。(高校のときはほとんどCOSINAの28-70mm F4ズームレンズを使ってました)

大学院生になってから(?)購入したTAMRON SP 28-105mm F2.8ズームレンズも、簡易的なマクロ撮影可能ということで、いままでそれほど本腰を入れていなかった、草花の接写撮影という新しいジャンルへ足を踏み入れることになりました。

そうすると、光学ファインダーを覗けない、しかも背中に貼り付いたライブビュー液晶画面も見辛いようなアングルでの撮影機会が増え、フラストレーションがたまってきました。

そこで、
2010年2月7日、ふらっと寄ったヨドバシカメラ仙台店で「衝動的に」E-620(ボディのみ)を購入してしまったのです。
なにより欲しかったのは「フリーアングル液晶」この1点です。

以来、春の青葉山という絶好のタイミングも手伝って、急加速で街の草花や山野草接写への道を深めていき、現在に至るというわけです。

昨年10月のE-5発売時は、ちょうど4/3の描写について悩んでいるときで、CANONの35mmフルサイズ機EOS 5D Mark IIにするか(こちらでもアダプターでOMレンズが使えるので)、新発売のE-5にするか・・・何度もカメラ店に出向いたり、Webで情報収集したり。

結論として、
画質には大きな優劣はなさそう
ボディサイズ、重量、グリップ感はほとんど同じ
しかし、レンズのことを考慮するとシステム全体としては4/3のほうがお得(とくに望遠中心のラインナップで臨む場合に)
機能には全く無関係ですが、デザインはE-5のほうが好み

で、買うならやっぱりE-5だな!と思ったのですが・・・

結局、「E-620で未だ能力を100%引き出せていない。極めてからE-5に行っても遅くない」と、購入は踏みとどまることにしました。

そうこうしているうちに、もう出番はなくなってしまったと思っていたE-420も、なんとなく吐き出す絵の雰囲気が、E-620にはない味わいをもっているように感じられることが多くなり、出番の数を回復しつつあります。シャッター速度をそこそこ稼げる手持ち撮影に絞り込み、光学ファインダーでのMF強化のためにフォーカシングスクリーンを交換した上でマグニファインダー装着、さらには本革ボディージャケット導入で手にしっくりなじむホールド感を獲得した「新生E-420」は、散歩のお供として、またE-620メインでじっくり撮影する際の小回りがきくサブ機として、ますます重要な地位を確立しています。

E-420に対するバリアングル液晶以外のアドバンテージとして手ブレ補正機構があったのですが、最近の撮影スタイルでは、E-420での実績を見ても、必ずしも手ブレ補正が必須でなくなってきています。
シャッターレリーズの爽快感ではむしろE-420のほうが格段に上で、ライブビュー撮影でのシャッターレリーズでは不満を感じるほどのE-620。
カメラ店でE-5をいじっては、「この通常撮影はもちろん、ライブビューでの軽やかなシャッターレリーズ感と音、これがE-620に備わっていたら、100%完璧なカメラなんだけどなあ」とため息をつき、「でもE-5導入には、この大きさと重さがネック」とまたため息をつく・・・

そんな中、先月めでたく10,000ショットを超えたE-620、なんだかんだいってもまだまだ現役ばりばりでがんばってもらいますよ。

2011年5月22日日曜日

OLYMPUS E-三桁には十分な露光が不可欠?

フォーサーズ規格の宿命、前々からよくいわれていることですが・・・

「高感度撮影でノイジー」

確かに、露出不足になるとノイズがバンバン、色の階調も悪くなるように感じられます。特にエクステンションチューブを入れた接写の場合、どうしてもカメラの測光ではアンダー露出気味に設定されてしまうようですので、常にプラス補正な気持ちで撮る必要があるでしょう(もちろん被写体や狙いによるとは思いますが)。

むしろ白飛びしない程度にぎりぎりまでオーバー目に露出し、RAW現像で戻す・・・というのがもっとも無難な気がします。
飛んでなければ、トーンを落とすことはかんたんです。でも、どアンダーになってしまったものを引き上げるにはかなりムリが生じます。

逆に言うと、十分光を与えてやればノイズは抑えられる、ということになろうかと思います。
実際に過去の経験でも、そんなことが何度もありました。
(露出を間違えて暗~くなってしまったあとに、設定を修正して適正にした2枚の写真を見比べたり)

E-5は画像処理システムを進化させて、より高品質の映像を作り出すことができるとききます。私の所有するE-420, E-620はひと世代、ふた世代前の機材ですが、どれほど違うのでしょうか。

比べてみたことがないので何ともいえませんが・・・
これらE-三桁機2台には、それぞれ不満(不便といったほうがよいか)な点はあります。が、E-5に切り替えるメリットでそれらのマイナス面を解決したとして、新たに生じるマイナス(コンパクトさ、手軽さを犠牲にする?)への不安もまた大きいです。

E-5はCanonのEOS 5D Mark IIとほぼ同じ大きさ、重量です。Canonのシステムと比べて同等のレンズがよりコンパクトになる点を加味すれば、全体として軽量コンパクト・・・となるのでしょうが、現状のE-420, E-620体制と比べると、大きく重くなるのは不可避です。

バッグから出すのが面倒になってしまったりしないか、うーん。
中古で安く出回るようになったら、あらためて考え直してみましょう。

いまのところ、結論としては
E-420、E-620でも光を十分に送り込んでやれば十分な画質を確保できる!
といったところでしょうか。

櫻岡大神宮のツツジ -2011/05/19(鳥居下のツツジの巻)

OLYMPUS E-620
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

今回も、引き続きツツジの記事です。
仙台市青葉区、西公園にある櫻岡大神宮正面の鳥居下には、先にご紹介した境内奥にあるものとは種類の違うツツジが咲いていました。

P5192614
F4(たぶん), 1/500sec (+0.3EV), ISO100

このツツジ、花の真ん中が縁よりも濃いピンク色になっています。
花をよく見ると、

P5192606
OM EXTENSION TUBE 14mm
F4, 1/400sec (+1.0EV), ISO100

花の中に小さな巻きの入った花びらが1枚入っているのです。これはありふれているのか珍しいのか、判断つきませんが、初めて見ました。

P5192611
OM EXTENSION TUBE 14mm
F4, 1/200sec (+1.0EV), ISO100

きれいな花です。でも、どうしても目が行ってしまうのが・・・

P5192605
OM EXTENSION TUBE 14mm
F4, 1/400sec (+1.0EV), ISO100

虫喰い穴。

2011年5月21日土曜日

櫻岡大神宮のツツジ -2011/05/19(モノクロにチャレンジ、の巻)

OLYMPUS E-620
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

さきほどの記事の続きです。
ひとしきり臥竜梅を堪能したあと、一瞬だけ猫さんのお相手をして、櫻岡大神宮に入りました。

3月に少し撮影した、白梅と紅梅の様子を見に行くのが目的です。
しかし、鳥居をくぐって境内に入ると、まず右手にモミジが目に入り、そこでトラップ。そのあと目を下に転じてきれいなツツジを発見、またトラップ。

肝心の本殿前、狛犬の脇にある紅梅の木は完全に日陰で、撮影はあっさり断念。
そこでこの記事では、ツツジにフォーカスして写真を紹介します。

残念ながら名前はわかりませんが、ほんのり薄いピンク色の上品なツツジです。

P5192509
F1.8開放, 1/2000sec (-0.3EV), ISO100
花だけがスポットライトのように照らされていて、周りが暗かったので0.3段アンダーに補正したのですが、それでも花の中心部分は白く飛んでしまう寸前でした。RAW現像時にコントラストを下げながらトーンを落としています。そうすることで、淡い花の色が白く飛ばずになんとか表現できました。

ピントもめしべの先に持っていくことができ、満足の一枚なのですが・・・
残念なことに、注目のめしべの先がちょっと汚れているのです。まことに残念。

P5192510
F1.8開放, 1/1250sec (-0.3EV), ISO100

今度は横から。これもピントはばっちり。でもやはり露出補正がやや弱かったようなので、RAW現像時に調整しています。

この写真、背景の黒を基調に花も色があるとはいえ、かなりの白っぽさ。
それならむしろ、思い切ってモノクロにしてみてはどうか・・・などと邪念(?)がわいてきました。

そして、チャレンジしてみたのが次の写真です。


意外と、手を加えずにモノクロにしてしまうと、カラーのときには気にならなかった背景のわずかな濃淡が目立ってしまって、主役の花が若干埋もれてしまう感じになってしまったので、ここではできる限りトーンを落としつつ、濃淡を平均化するためにコントラストを下げて(実際には-20です)みました。
花の上側と下側の花びらのコントラストがきつかったのも緩和されて、全体的によい方向にいったのではないでしょうか。

あまり追求すると、モノクロ写真にのめり込んでしまいそうなのでほどほどにしたいと思いますが、これからもときどきチャレンジしてみようと思います。

・・・けっこう面白いですね。モノクロ

臥竜梅(がりょうばい) -2011/05/19櫻岡大神宮(仙台市西公園)

OLYMPUS E-620
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

5月19日(木)、この日のお昼は自転車を繰り出して、計画的に西公園方面に行くことを目論んでいました。西公園付近を物色しながら、最終目的地として大橋を渡った仙台市博物館周辺(長沼、五色沼あたり)を考えていました。うまくいけばさらに奥、青葉城隅櫓を抜けて東北大学川内キャンパスまで足を伸ばせるかも・・・などと期待していました。

しかし、ちょっと出発が遅くなってしまったために時間が十分取れなかったのと、最初に向かった櫻岡大神宮周辺で時間をかけすぎたために、通過点のつもりだった撮影ポイントで敢えなく終了となってしまいました。・・・残念

まず神社脇の臥竜梅(がりょうばい)をチェック。この梅の木は、太閤秀吉の朝鮮遠征に参加した伊達政宗公が持ち帰って仙台城(若林城に、という記述もありますが、どっちでしょう?)に植えたという木の子孫のようです。市内の何カ所かに兄弟(親子?)たちがいます。
有名なところでは、若林城(現宮城刑務所)、瑞鳳殿や瑞巌寺などがあります。西公園にあるこの臥竜梅は、明治8年に分植されたとのこと。

片平にもあります。実は花のシーズンに入るだいぶ前、フライングで訪れていました。
記事はこちら

肝心の花の時期は、震災の直後ということもあってゆっくり撮影に出かけることができないままに過ぎてしまいました。

震災直前の3月上旬と震災直後、ちょっと咲き始めの時期にかろうじてこの西公園臥竜梅と、隣の櫻岡大神宮境内にある若い梅の木を見にきていました。
花は、なんとなく若い木のほうが張りとつやがあって、写真映えする気がして、臥竜梅のほうは「眺めただけ」でした。

今回は、もちろん花の時期はとっくに終わっていますが、若葉が出てきて青い実もなりはじめているのを期待して、それでも、あくまでも「最終目的地へ向かう前のちょっと寄り道」のつもりで訪ねたのです・・・が

最初のショットは、なぜか

P5192431
OM EXTENSION TUBE 14mm使用
F1.8開放, 1/320sec (+0.7EV), ISO100

なぜか、虫喰い葉・・・
この木、樹齢200年の古木ですが、虫に喰われるということはまだまだ若い!ということなのではないでしょうか。
そして、実を探してみることに。しかしなかなか見つからない・・・

P5192433
OM EXTENSION TUBE 14mm使用
F1.8開放, 1/320sec (+0.7EV), ISO100

鈴なりになった実の様子を思い浮かべて、下から覗き込んだのですが、なかなか実が発見できません。ようやく見つけたひとつです。
若い実は、短くやわらかい毛に覆われていますね。青い梅の実といえば梅酒に使う南高梅くらいしか見たことがありませんでしたが、もっと「つるっ」とした感じを想像していたので、ちょっと意外でした。
実は、ちょっとさわってみようとしたら、簡単に「ポロッ」と落ちてしまいました。おぉ、まことに申し訳ございません。

若葉のほうは

P5192435
OM EXTENSION TUBE 14mm使用
F1.8開放, 1/1250sec (+0.7EV), ISO100

瑞々しいです。
でも、いきなりエクステンションチューブを入れて、どアップばかり撮っていると「臥竜梅らしさ」がどこにも感じられないことに気づきました。

何とかして、「これは臥竜梅ですよ」的な写真も撮らなくてはならない、そう思いましてしばし考えました。・・・そして出た結論が次の写真です。

P5192448
F8, 1/125sec (+0.7EV), ISO100

最近めっきり少なくなった「絞り込み」。F8までがんばりました。
バックにぼんやり浮かぶ、竜のうねり。これこそ、「臥竜梅」です。

行く前には、それほど気合いを入れていなかった臥竜梅、実際に見てみると見所満載でした。
梅の魅力は花だけではない。これが結論です。

これから機会があれば、実のこれからを追跡したいと思います。
(上の写真の実は残念ながら落ちてしまいましたが、ほかにもちゃんと実はありましたのでご心配なく)

2011年5月15日日曜日

TAMRONズームレンズの出番

先日、OM65-200mmF4ズームレンズがカビ取り修理から戻ってきて、選択肢に復帰しました。
ライカ版で400mm相当の望遠、80センチまで接近可能なクロースフォーカス機能、望遠ズームとしてはコンパクトな筐体・・・
何度かテスト撮影してみて、けっこう行けそうな感触をつかみ、これからが楽しみになりました。

そうなってくると、立場が微妙になってくるレンズがあります。


TAMRON SP 28-105mm F2.8 LD Aspherical IF (176A)です。
F2.8と明るいが、絞り開放の画質が今ひとつ
ピントの山はつかみやすいが、ピントリングの回転角が小さすぎて微調整が困難
とにかく大きくて重い(上の写真はE-420に装着しています(E-420用ボディージャケットの記事で登場)が、でかさが伝わるでしょうか)

気軽に持ち出すことができないこのレンズ、OM2 s/pで使っていたとき(といってもそれほど使ってませんが)ならば、28-105mmのズーム域は普段のスナップ用として最適なのですが、焦点距離が倍相当になってしまう4/3システムでは、56-210mm相当のズーム範囲は使い道に困ります。

やはり近場で、ボディとレンズ1本のみ!と割り切った撮影の場合に限られそうです。
持っているレンズの中で一番高価だったこのレンズ、いい活躍の場を与えてあげたいです。

RIKENON135mmF2.8で望遠マクロ -2011/05/14青葉の森

OLYMPUS E-620
RICOH XR RIKENON 135mm F2.8
PENTAX CLOSE-UP RING K No.2 (19mm)

昨日訪ねた青葉の森でユウシュンランを発見し、いくつかのレンズで撮影しました。
この日は、E-620にKマウント(RIKENON 50mm F2と135mm F2.8用)、E-420にOMマウント(OM 50mm F1.8と28mm F2.8用)アダプターをつけて役割分担する作戦で臨みました。

だいたいいつも、50mmレンズは必須として短焦点側に28mm、長焦点側にはそのときの組合せや荷物量を考えていろいろチョイスします。
青葉の森に出かけるときに持っていく望遠レンズとしては、OM 80mm F4マクロやOM 135mm F4.5マクロが多いですが、これらはレンズとあわせて65-116mmエクステンションチューブも持っていかなければならないので、ほかの荷物が多い場合は断念することも多いです。また天気がよくなくて暗いことが予想される場合、十分時間がとれないと予想される場合にも、セッティングや操作に手間のかかるこれらのマクロレンズは、画質以外の点で制限が多いです。

最近、OM 65-200mm F4ズームレンズが修理から帰ってきて、ラインナップに加わりました。
単独で(望遠端200mm限定ですが)80センチまで寄れるのと、400mm相当の超望遠かつコンパクトであるという点が有利です。

そこまでの望遠が必要ない場合に有力な候補となるのが、今回取り上げたRIKENON 135mm F2.8レンズです。すでに私のラインナップにはOM 135mm F4.5マクロという強力なレンズがありますが、大きく重い点、操作が煩雑な点でちょっと不利です。
持っていっても、時間がない、面倒臭い(こんなこと言ってはいけないのですが)という理由でせっかくの被写体に見て見ぬふりをしてしまうことも一度や二度ではありません。

このRIKENON 135mm F2.8レンズをマクロ撮影に使うというアイデアは、2月に参加したフォトパスの水仙撮影会で初チャレンジだったのですが、意外とよい印象でした。

今回のように、2台のボディをOMマウントグループとKマウントグループに分けて持ち出す場合、OMマウントグループのメンバーは選ぶのに困るほど多様なのですが、KマウントグループはRIKENON 50mmと135mmの2本のほかは、SMC PENTAX 24mm F2.8(しかもカビだらけ)の1本のみ。実質2本しか選択肢がないというわけです。

それでは、今回このRIKENON 135mm F2.8で撮った数少ないショットの中から、ユウシュンランを披露します。
先日の記事でも触れたとおり、去年たった一回だけ出会った貴重なランの花。
じつは、絶滅危惧II類(VU)に指定されているほど貴重なランだそうで、そんな花を自然の姿で見ることができるというだけでも、幸せ者です。

P5142180
F2.8開放, 1/100sec (-0.3EV), ISO400

これは、花木広場の縁のあたり、下を沢が流れる崖の上においてあるいくつかの木製ベンチの陰に咲いていた花です。
おそらく、この花としては完全に開いた状態なのだと思いますが、個人的には開く前の「きゅっ」と閉じた状態(つぼみ?)のほうがこのユウシュンランらしくてよいのではと思いました。
この日、いくつか花を見つけましたが、どれもこんな感じに開いていました。

まだ6月くらいまで見られるようなので、つぎつぎ出てくるユウシュンランに期待したいと思います。

ところで、このように真横からのアングルの場合、50mmレンズを使うといろいろやっかいな背景になってしまいがちです。しかたなく地面に向かって限られた背景で撮るようにやや上から見下ろして撮ると、花以外がすっかりボケてしまいます。それを防ごうと絞り込むと、今度は地面付近の土や草がボカしきれずにうるさくなってしまいます。こんなとき、望遠で遠くから撮れば背景として写る範囲も限定され、撮りやすくなります。

この花、ベンチの下なので基本は日陰なので薄暗い雰囲気です。そこで、暗い中に花を白く浮かび上がらせようと日が射したときに横からレフで光を当ててみたりもしましたが、不自然にきつく陰影がついてしまったり、距離のない後ろのベンチの足(丸太)まで一緒に照らされてしまったりと、あまり思わしくありませんでした。

このレンズが活かされるのは、F2.8の明るさが発揮される場面ということになるでしょう。
RIKENON 50mmレンズを持ち出す際には必ず「K接写リング」がお供することになるので、そのとき想定される撮影状況や荷物の具合によっては、一緒にカバンに忍ばせる機会も増えるかもしれません。
同じRIKENONといっても、50mm F2のような幻想的なボケ味が出るわけではありませんが、うまく良さが出る場面で使ってやりたいと思います。

2011年5月14日土曜日

今日は強風

昨日もそうでしたが、今日も(天気はよいものの)風が強くて難儀しました。

青葉の森へカメラを持って出かけましたが、あまりに風で揺れるので、ライブビューで見ながら風のおさまり待ちしていたら、あっというまにバッテリー切れに。

しかも、ライブビューを使わず光学ファインダーのみで使っているE-420も、たまたまタイミング悪くバッテリー切れ。

今日の青葉山はと言えば、連休中に最盛期だったイカリソウはほとんど姿を消し、スミレもほとんど終わっていました。
しかし、待望のマイヅルソウとユウシュンランが見られて超ハッピーでした。

そのほか、ニョイスミレが増えてきていたり、今日新しく見かけた花もいくつかあったり(ひとつはルリソウ、あとはまだわかっていません。がんばって調べたいと思います)、沢ガニや去年も聴いた懐かしい声のカエル(姿は見えず)も!

今日は収穫の多い一日でした。
写真は追々アップしていこうと思います。

2011年5月10日火曜日

イカリソウ -2011/05/05青葉の森

OLYMPUS E-420
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

先ほど扱ったイカリソウ。
同じ場所で、今度はE-420とOM 50mm F1.8の組合せでチャレンジです。
OM 50mm F3.5マクロとは異なる雰囲気を楽しめました。

P5053685
with OM EXTENSION TUBE 14mm
F4, 1/400sec, ISO400

やはりこのレンズを使うと、とてもソフトな仕上がりになりますね。

P5053698
with OM EXTENSION TUBE 14mm
F1.8開放, 1/1250sec, ISO400

このムードは、デジタルレンズやマクロレンズでは絶対出せませんね。
このときはRIKENONレンズは持っていかなかったのですが、このレンズはおそらくそれとも違った雰囲気が出ているのだと思います。

P5053703
with OM EXTENSION TUBE 14mm
F4, 1/800sec, ISO400

普通(?)の花を上から。
脇からちょろっと何かが出ているのですが、これは何でしょう?

P5053715
with OM EXTENSION TUBE 14mm
F4, 1/800sec (-0.7EV), ISO400

先の記事でアップした、マクロレンズによる写真と同じ花です。
使うレンズが違うと、かなり雰囲気が違ってきますね。この写真もF4まで絞っているので、条件的にはOM 50mm F3.5マクロレンズを絞り開放で撮る場合とほぼ同等だと思うのですが、ここまで違うとやっぱりおもしろいです。

P5053728
F4, 1/400sec, ISO400

P5053732
F4, 1/200sec, ISO400

P5053737
F1.8開放, 1/800sec, ISO400

森に自生するイカリソウの雰囲気が出たでしょうか。
このあたりは、十分にシャッター速度が稼げる条件だったので、ISO感度設定をもう少し下げてもよかったかも。

ここではすべて手持ち撮影ですが、最近E-420とスプリットマイクロスクリーンでのピント合わせにだんだん慣れてきた気がします。
やはり、サクサクと気持ちよいシャッター音と、(根拠はないですが)E-620よりも若干濃いめの色合いが魅力たっぷりのE-420は大変気に入っています。
本革ボディージャケットもばっちりで、とても手になじみます。

OM 50mm F1.8やRIKENON 50mm F2とE-420の組合せはこれからも活躍しそうです。

白いイカリソウの花 -2011/05/05青葉の森にて

OLYMPUS E-620
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5

先の「一年前ネタ」から再び今年に戻って、連休最終日の5月5日(木)。
今年の連休はかなり青葉の森に足を運びました。たくさんシャッターも切りましたが、やはり完全達成というわけにはいきませんね。

帰ってきて、PCモニターで確認しながら「もうちょっとこうしていれば」なんて反省しきりです。

さて、去年わんぱく広場のあたりを訪ねたときはちょっと紫がかった赤い花しか見えなかったイカリソウですが、今年は花木広場の斜面にみつけた群落に、結構な割合で白い花が咲いているのをみて大変テンションが上がりました。
さっそく撮影です。

P5051758
F3.5開放, 1/160sec, ISO200

P5051745
F5.6, 1/320sec, ISO200

P5051768
F3.5開放, 1/200sec, ISO200

白いイカリソウも美しいです。でも、マクロレンズで撮ると「カッチリ」写るのですが、なんとなく芸術性に欠けるというか、図鑑的になってしまうというか、若干おもしろみという点で物足りなさを感じますね。

P5051729
F5.6, 1/1000sec (-0.7EV), ISO200

これは、「紅白競演」といった感じです。背景が暗かったので、白い花が飛んでしまわないようにアンダー気持ち強めの補正をかけました。
ちょうどシャッターを切る前に日が出て、花が明るく輝きました。最初は曇って薄暗く、花も影になって暗かったので、下からレフを当てたのですが、このまぶしい日の光を強く反射しすぎて幾分不自然に照らされてしまった感もあります。

白いイカリソウ、いい感じです。

ちょうど一年前に撮ったスミレ -2010/05/09国道457号線近辺にて

OLYMPUS E-620
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8(初代)
KENKO CLOSE-UP LENS No.2+3

古い話で恐縮です。
ちょうど1年前の2010年5月9日、川崎町近辺の国道457号線から脇に入った付近(たしか田んぼの脇あたりだったような)で撮ったスミレの花です。

当時は、高校時代から持っているOM 50mm F1.8と、KENKOのクローズアップレンズしかなかったのですが、楽しくマクロ撮影していました。

花の名前がわからなかったので保留したままずっと眠っていた今回の写真、おそらく「オオタチツボスミレ」であろうということで、今更ながらアップします。

P5091589
絞り不明(F1.8開放かまたはF2.8?), 1/400sec, ISO400

ちょっと、日陰で暗い状況ではあったのですが、このシャッター速度ならISO400まで感度設定を上げなくてもよかった?
この写真の前はISO200で撮っていたことがわかっていますので、この写真のためにあえてISO400まで上げたことになります。なぜだろう?
ちょっと粒が粗くなってしまいました。

オオタチツボスミレの特徴は、距が白いことと花の色にやや赤みが強いこと・・・?
距の色はよさそうですが、花の色が妙に青い。
遠い記憶を呼び覚ましてみても、もう少し赤みが入っていたような気がします。

ほかの写真を見てみると、

P5091600
絞り不明, 1/500sec, ISO100

少し赤みがあるような・・・
もしかすると、P5091589は日陰で撮ったために青みが強く入ってしまったのかもしれません。
こちらのP5091600のほうは、直接日光が当たっている(というか透過している)ためにもう少し実際の色に近いトーンになっているのかも。

そこで、さきほどのP5091589をRGB各色ごとにトーンカーブ調整して、なるべく記憶の色に近い感じの再現を試みてみました。


まあまあの仕上がりになった気がしますが、やはりISO400は失敗だったかも。

青葉の森ではなかなかこのオオタチツボスミレに出会うことができず(見逃しているだけかもしれませんが)、たぶん過去の写真の中でこのときに撮影したのが唯一かも、ということでここで取り上げてみました。

2011年5月8日日曜日

ユウシュンランがみたい! -2010/05/16青葉の森

OLYMPUS E-620
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5

まずはこちらの写真をご覧ください。

P5161698
F3.5解放, 1/160sec(+0.7EV), ISO200

P5161700
F5.6, 1/80sec (+0.7EV), ISO200

去年の今頃、青葉の森で撮ったユウシュンランの花です。

ユウシュンランの名前は、植物学者の工藤祐舜にちなんでつけられたとのこと。
ギンランの変種ですが、ずっと小さく10~15センチの高さしかありません。
上部の葉だけが大きく、その下は退化して鱗片状に小さくなっています。

開発や乱掘のために全国的に激減、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているそうです。
青葉山ではわりと普通に見られるそうですが、私がこの花に出会えたのはこのとき1回きり。

ぜひもう一度撮りたい花です。