2012年12月30日日曜日

RICOH GXRの落ち着き先について考える

この年末の一大イベントとして、

「お散歩カメラ」を1年あまり勤めてくれたRICOH GXR (カメラユニットS10 24-72mm F2.5-4.4VCつき)のOLYMPUS STYLUS XZ-2への更新

がありました。
ほぼ同じ大きさ、重さで使い方もまるっきりカブってしまうこの両者。
普通に考えれば新旧交代で、旧世代は去るのみ・・・なのですが、それはいかにももったいない。

なんとか現役を続けてもらうような使い方はないものだろうか?と考えてみますに、もともとこのGXRを導入したとき(2011年11月30日でした)には、おなじRICOHのGR Digital IVという28mm単焦点コンパクトカメラにしようかと思ったときに、いくら画質に定評があるとはいっても広角単焦点というかなり割り切ったシステムで私のフォトスタイルをカバーしうるか?という不安から、カメラユニット交換可能なGXR、その「様子見」としてのS10ユニット導入だったわけです。

その後、GXR用の28mm単焦点カメラユニットA12 28mm F2.5は必要性を感じなくなり(というか、S10の24-72mmというズームで十分カバーされ、画質も不満がなかったわけです)、ずっとこのカメラは24-72mm標準ズーム付きカメラとして日常、出張先で活躍し、3400ショットあまりの映像を記録してきました。

おそらくその役目は、そっくりXZ-2に引き継がれることになるわけですが、せっかくのユニット交換式なので、一時期少し検討したこともあるMOUNT A12導入を再検討してみてはどうかと思い立ったのです。

このユニットは、23.6×15.7mmの大型 CMOSセンサーを装備したライカのMマウントで各種レンズを装着可能なマウントユニットです。マウントアダプターを使えば、OLYMPUS OMやKマウントのレンズも利用可能です。
この撮像素子サイズ、23.6×15.7mmというのは、いわゆるAPS-Cといわれるサイズに相当します。フォーサーズの場合は17.3×13.0mmなので、一回り大きいですね。

このA12マウントユニットを導入して、たとえばRICOHのオールドレンズ、XR RIKENON 50mm F2をつけてみたり、ここに中間リングを入れてマクロを楽しんだりできそうです。
MFアシスト機構もついているようなので、ピント合わせも快適かもしれません。そうなると、電子ビューファインダーも欲しくなってきますが、これは一度実際に装着して試してみたことがあるのですが、見え方は決して良いものではありませんでした(OLYMPUS OM-D E-M5などと比べてしまうと、欲しくなくなります)。

もしくは、現在所有しているS10ユニットにコンバージョンレンズをつけて、さらにズーム域を拡大してしまうというのも手かもしれません。
現在、手持ちのすべてのシステムをみても、もっとも広角アングルで撮れるのは35mm換算で24mmまで。ここに、もしS10用のワイドコンバージョンレンズDW6を装着すれば、なんと19mm相当の超広角が実現します。
A12レンズユニットではAPS-Cサイズのセンサーが使われているので、そこに装着したレンズの焦点距離は、35mm換算すれば実値の約1.5倍となります。したがって、24mmレンズをつけても36mm相当ということになります。S10+DW6の19mm相当に対向するには、19×2/3=約13mmのレンズが必要ということに。これは非現実的です。

望遠側を伸ばして使うという手も考えられますが、テレコンバーターレンズTC-1では135mm相当までしか望遠になりません。これは中途半端です。
P10 28-300mm F3.5-5.6VCユニットを新たに導入するか、A12レンズユニットに望遠レンズをつけるという手もありますがどうでしょうか。画質と使い勝手次第、そして投資額次第ということになりそうです。

ちょっと悩みますが、ヨドバシカメラ仙台店などへいきますと、このRICOH GXRシステムがかなり力を入れて展示されており(ハクバから出されているGXR用ボディーケースなんかも、レジ横のガラスケースに色違いで2種類も展示されていたりします!)、発売からだいぶ日が経っている(ボディは2009年12月、S10とのセットは2010年7月)にもかかわらず、やはり売れているのか(はたまた売り場担当者の単なる趣味か?)、こういうのを見ると、新しいものが入ったからといってかんたんにお払い箱にしてしまうのは気が引けます。

なんとか、このカメラならではの活躍の場をつくってやりたいと思います。

新旧お散歩撮影用カメラの比較

現在、「気合いを入れて」撮るときはOLYMPUS Eシリーズのフォーサーズ一眼レフカメラ、お散歩の時など「気軽に」撮るときはRICOH GXRに最もオーソドックスな標準ズームユニットS10 24-72mm F2.5-4.4VCをつけたセットで臨みます。

この「お散歩のお供」カメラを、先日OLYMPUS XZ-2に更新しました。

まずは、現在愛用しているGXR+S10のスペックを確認し、XZ-2と比較していくことにしたいと思います。

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RICOH GXR + S10 24-72mm F2.5-4.4VC

外形・寸法:113.9mm(幅)×70.2mm(高さ)×44.4mm(奥行き)(突起部含まず)
質量:約325g(バッテリー/メモリーカード/ネックストラップ/端子キャップ/レンズキャップ除く)
バッテリーの重さが入っていないので、実際にはもう少し重くなると思います。(バッテリーの重量の値は見つけられませんでした)

映像部分
画素数:約1000万画素
撮像素子:1/1.7型CCD(総画素数1040万画素)

レンズ
実焦点距離:5.1mm~15.3mm(35mm換算値24~72mm)
F値:F2.5(W)~F4.4(T)(開放F値)
撮影距離(レンズ先端より):通常撮影時:約30cm~∞、マクロ撮影時:約1cm~∞(広角)、約4cm~∞(望遠)、約1cm~∞(ズームマクロ)
動画は撮影できません

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これに対して、

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STYLUS XZ-2
寸法:113mm×65.4mm×48mm(CIPA準拠 幅×高さ×奥行き 突起部含まず)
質量:346g(CIPA準拠 付属充電池およびメモリーカード含む)
※寸法はGXR+S10とほぼ同じ、質量はバッテリーとメモリー分込みなので、こちらもほぼ同じです

映像部分
画素数:1200万画素
撮像素子:1/1.7型 CMOSセンサー
※センサーサイズは同じですが、GXR+S10はCCD、XZ-2はCMOSという違いがあります

レンズ
焦点距離:6mm~24mm(35mm換算28mm~112mm)
開放F値:W1.8~T2.5
撮影範囲(レンズ先端より):通常:W5cm~∞、T20cm~∞、スーパーマクロ:1cm~60cm(W端固定)
動画が撮れる(これは現在メリットとはなりませんが、将来はどうなるか分かりません)

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XZ-2がGXRに対して見劣りする点として挙げられるのは
1.広角端が少々ワイド不足(28mm相当までしかいかない)
2.スーパーマクロが広角端固定で、望遠側では20センチまでしか寄れない(GXRでは望遠端(ただし72mm相当ですが)でも4センチまで寄れる)
ですが、よく考えてみれば

1.の広角側へのひろがりが制限されるのはあきらめるとして、2.のマクロ撮影の点では望遠端112mm相当で20センチまで寄れるというのは、いつもフォーサーズでOM ZUIKO 50mm F3.5マクロレンズなどで撮っているのと感覚的には同じことなんですよね、実は。
100mm相当で23センチまで寄って撮るわけですから。
そう考えると、望遠端でスーパーマクロが機能するとしても、そこまでアップで撮ることはまずないでしょうと。

そういう観点から比較すれば、XZ-2がどれも機能更新となるわけです。(広角端の後退を除けば)

それではもう、GXRの出番はまったくなくなるのかといえば・・・どうなんでしょう?

2012年12月29日土曜日

OLYMPUS XZ-2導入決定

かつて、
かなりの苦悩と葛藤の末RICOH GXRを購入
というトピックがありました。

そして購入から1年あまり、気合いを入れない普段のスナップにはかなりこのRICOH GXRが活躍しました。(このブログではあまり話題に出ませんでしたが)

なかなかの画質であり、操作性もよく、気に入って使っていましたが
望遠側がもう少し欲しい(S10カメラユニットでは72mm相当まで)
暗い場所でもう少しがんばって欲しい(高感度撮影時の画質、手ブレ抑制)
ここへきて急にバッテリー切れが早くなった
など、些細な不満はありました。

ここぞ!というときの勝負機は現在OLYMPUS E-5を中心とするフォーサーズ一眼レフシステムですが、気軽なスナップ用のカメラを更新しようと考えました。

そうなると、またもや
ミラーレス一眼のOLYMPUS PENか
コンパクトデジタルカメラか
で悩むことになりました。

とくに、コンパクトデジカメでは
防水、耐ショック性を高めたToughシリーズのTG-1と、
一眼並みの画質が売りの高級コンパクトデジカメ、XZ-2とで
また悩みます。

Toughシリーズは以前から気になっていましたが、このTG-1は明るいレンズを搭載して使い勝手も向上したようで、こういうのもいいのではないかと。
一方、XZ-2はスナップ用としてはちょっと仰々しすぎるかな?と思って前代XZ-1発売のときは避けていたのですが、今使っているRICOH GXR + S10 24-72mm F2.5-4.4VCとくらべて大きさ重さもほぼ同じ、画質は文句なし、そして望遠端が112mm相当まで伸び、これまでの不満も解消(といっても逆に広角端が24mm相当から28mm相当へスペックダウンしてしまいますが)、高感度撮影にも強くて強力な手ブレ補正もある。
PENを導入する場合を考えれば、現在のフォーサーズ一眼レフと「キャラがかぶる」ことも少ないのではないか。

オリンパスオンラインショップのポイントも、5万ポイントあまりが年内で期限切れになってしまうということと、12月27日まで通常15%が上限のポイント使用が、20%まで使えるキャンペーン中ということで、思い切って購入することにしました。

発注は12月24日夜。
まあ、発送・到着は年明けだろうなあ、と思っていたらなんと!
12月27日に届いてしまいました。

初レリーズはまだですが、これからが楽しみです。

2012年12月11日火曜日

遅ればせながらドラマチックトーン

OLYMPUS E-5
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0SWD

去年(2011年)の大晦日に購入した、OLYMPUS E-5
このカメラには、アートフィルターの新しいバリエーションとして「ドラマチックトーン」なるものが装備されています。
発売当初から、このアートフィルターが「ウリ」のひとつだったわけですが、私はいままで1年近く使ってきて、一度もこのドラマチックトーンを試したことがありませんでした。
それは、私の中に「写真は記録」という気持ちが強くて、「このアートフィルターを使うのは芸術家だけ。私には無縁の機能だ」と思っていたからです。

2012年12月1日から1週間、出張でフランスのレンヌに行きました。
昼間はもちろん用務先であるレンヌ大学へ出向き、用務をこなすわけで・・・自然、オプションである趣味に許される時間は朝か夜となってしまうわけです。

この時期、フランス北部地方は夜明けが遅く、朝8時くらいまであたりは薄暗いです。
それでも、出かける前にレンヌ旧市街のあたりを歩いてシャッターを切ります。

でもどうしても・・・

E-5, PC060405(original)
こんな風になってしまいます。
夜が明ける微妙な時間帯では、空の感じもつぶしたくないし、街の風景も明るくしたい。
でもコントラストが大きすぎて、うまく行きませんでした。

この写真も、いつもなら「あ~あ、ダメだった」と、即ボツになっていたところでした。
ふと、どうせボツになるならアートフィルターで遊んじゃえ!と、偶然ドラマチックトーンをかけてみたのです。
そうすると、

dramatic-toneかけ
なんと、真っ黒につぶれていた建物のディテールが鮮やかに浮かび出て、しかも空の感じもきっちり出ている!
やっぱりどこか、芸術家気取りな雰囲気が出てしまっているように感じられるものの、ボツ写真が一転!ちゃんと人に見せられる作品になってしまうとは・・・

被写体が「異国の街」というのも、なんだか私の中で許せてしまうように思われます。

この一枚をきっかけに、いろいろと「ドラマチックトーン」で遊んでみたくなったきっかけを与えられました。

そして、エクスカーションで連れて行ってもらったモン・サン・ミッシェルで、このドラマチックトーン効果が絶大に発揮されることとなりました。

到着直後に撮った写真・・・

E-5, PC060479(original)
ちょうど真後ろから日が射してきたので、カメラを構える自分の姿もフレームに入れて、「“脱”観光記念写真」を狙った一枚です。
それでも、なんだかありきたりな記念写真感は否めません。
そこで、この写真にドラマチックトーンをかけてみました。

dramatic-toneかけ
すると、印象は一変しました。
とくに、空のダイナミックさがググッときます。
快晴よりも、晴れ間が残りながらちょこちょこ雲がいるというくらいの空がちょうどよい感じがしますね。

この写真は、フォトパスにも投稿させていただきました。
作品のページはこちらです。

まだまだ、ドラマチックトーン初心者ですが、これからこのアートフィルターへの向き不向きや効果的な露出条件などを少しずつ検討していきたいと思います。