2024年4月9日火曜日

今年はじめての青葉山ですが -2024/03/30

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO


三居沢のほうは何度か歩いていましたが、こもれび広場を中心とする標高の高いエリアのほうはまだ歩いていませんでしたので、この日気合いを入れて歩くことにしました。

1週間ほど前の3月24日(土)、もっとも標高の低い三居沢入口から入って周辺エリアを歩いた際の印象は、「カタクリの花がぜんぜん咲いていない」「セリバオウレンの見頃がまだまだこれから」「ナガハシスミレはつぼみすら見られない」そして「イワウチワのつぼみもなく丸い葉だけ」しかも数が少ない気がする・・・「ショウジョウバカマもまったく咲いていない、つぼみも出てない」という感じで、例年に比べてかなり出足が遅いと感じました。

そしてこの日。こもれび広場から出発してまずは「チゴユリのみち」を回って一旦こもれび広場へ戻ったあと、「きいろいみち」を行き、疎林広場から「化石のみち」、「ヤマドリルート」を歩いて花木広場へ出て、「わんぱくのみち」を通ってふたたび「チゴユリのみち」からこもれび広場へ戻る、という長距離ウォークとなりました。

「チゴユリのみち」を入って行くとまもなく、カタクリの花がいくつか咲いており、また足下にたくさんのセリバオウレンが咲いていました。

しかし想定外の強い日差し、そして昨日の雨の影響が少し残ってぬかるむ足下・・・立ち止まることなくスルー。

さらに歩いて行くと、道の脇にショウジョウバカマ。でもようやくつぼみがほぐれ始めたばかりというタイミング。

かなり日当たりの良い乾いた斜面を上がって行くと、そこにもカタクリの花。これなら下から見上げて撮影できる。・・・ということで

E-M1 Mk3, MZ12-40, P3300069
12.0mm F2.8
1/3200sec, ISO200

なんだか、葉も花も小さめで首も短い、かなりコンパクトな感じのカタクリです。
去年の夏の暑さの影響か?それとも暖冬・・・と思ったら年明けに平年以下の寒い日が多かったせいか?

さらに先へ進むと、茶色く枯れた細くて長い葉がたくさん垂れ下がった斜面に、ほんの数センチの首、数センチの細くて短い葉のスゲらしき花?が遠くからでも目立って見えていたので、何気なしに2枚撮影。

P3300074
40.0mm F2.8
1/400sec, ISO200
P3300075
同上

これから首(花茎)や葉を伸ばしていくのかなあ、などとぼんやり考えながら写真を撮っていましたが、あとで調べてみるとこれはもしかして「アズマスゲ(東菅)」ではないか?ということになってきました。

いつも見慣れたスゲは「カンスゲ(寒菅)」で、分布は「宮城~近畿の太平洋側、中国~九州」となっていて、宮城は北限みたいですね。「寒い」という名のわりにはあまり寒いところにはいないのか?

シュッと伸びた花茎の先につく(頂生する)のは雄小穂で、花茎の横に数個の雌小穂がつくかたちとのこと。葉は最初から幅1センチほどの固くて長いかたち。

カンスゲに似ていてサイズの小さい「ヒメカンスゲ(姫寒菅)」というのもいるらしい。青葉山でもよく見られるようです(「きょうの青葉山」ブログにときどき登場します)。こちらは葉の幅が2~4ミリとかなり細いので見分けられると思います。

さらにさらに、カンスゲに似ているスゲとして「ミヤマカンスゲ(深山寒菅)」という種もあるみたいです。「深山」の名のとおり高山に分布しているようですが、こちらは花茎の先につく雄小穂が細いそうです。

一方、アズマスゲのほうは、同じ花茎に雄小穂と雌小穂がつくスタイルではなくて、同じ株から別々に雄小穂つきの花茎と雌小穂つきの花茎が出る、というところにほかの種との違いがあるようです。やはりここで見たのはアズマスゲの可能性が高いですね。

ほかのスゲの葉が常緑であるのに対して、アズマスゲは花期が終わるととんでもなく葉が伸びて枯れたまま次の年まで残るそうなので、ジャマだと思っていたまわりの枯れ葉は去年の花が終わったあとに伸びて枯れ、残っていたアズマスゲの葉だったのですね。

これぞ!という収穫もないまま沢にかかる橋を渡ってこもれび広場へ戻ってきて、こんどは「きいろいみち」へ入って行きます。それにしてもなぜ「きいろいみち」?

ショウジョウバカマにも出会いましたが、まだまだという感じ。ようやくつぼみの先が割れてこれからしべがニョキーッと出てくるのはこれから、というタイミングのものが多かったです。

ちょうど、つぼみの先が割れたばかりの花と、ちょうど開いたばかりの花がとなりどうしというペアを見つけました。

P3300102
40.0mm F2.8
1/500sec, ISO200

さて、これから一気に伸ばしましょうかね!・・・という感じ。

その奥には、

P3300103
40.0mm F2.8
1/1250sec, ISO200

まだ開いたばかりで首がほとんど伸びていない状態。これから首を伸ばして下を向くのでしょうか。

P3300101
40.0mm F2.8
1/1000sec, ISO200

ちょっと引いて上から見下ろすとこんな感じです。

こうしてみるとやはり、ショウジョウバカマはまだまだこれからだな、という印象ですね。

ほかの場所でもだいたいこんな感じでした。


結局約3時間、3キロ強歩きましたが、かけた時間と歩いた範囲の広さのわりには、収穫が少なかった一日となってしまいました。

ちなみに、去年の今ごろ(2023年4月1日)にFacebookに投稿した記事が残っており、そちらを見ると・・・


どの花も、今日の状態よりずいぶん進んでいる感じ。

まあ、去年は桜の開花も観測史上最速だったりして、全体的に季節の進行が早かったということもありましたので、今の進み具合はむしろ平年並みなのかもしれません。


それにしてもM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROというズームレンズは24mm相当の広角から80mm相当の中望遠まで、けっこう寄れるし絞りを開いて寄ればボケの中に狙ったポイントがクッキリ浮かび上がるし、絞り込めばカッチリ写る・・・基本的な要求にはこれ一本で全て対応可能です。

最近は、レンズを何本も持ち歩くのが辛くなってきたので、歩き回って様々なターゲットをテンポよく様々な取り方で写真におさめていきたいようなときには、このレンズがたいへん重宝します。

ほかのレンズでは、よほど目的が絞り込まれていない限りはそれ一本だけでその日の撮影をすべてこなすということはかなり難しいと思います。

まあ、逆にいえばこの12-40mmズームのような万能レンズではない特殊なレンズだけを持ち出して撮影するときには、予めしっかりとプランを立てたり目標をキッチリ定める必要があるということですね。

そろそろ年齢と自分の体力のことを考えて、なんでもかんでも放り込んでズッシリと重たくなったリュックを背負って何時間も山を歩くというようなことはなるべく避けたほうがよさそうです。

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